「翡翠さまぁぁぁ!!エマぁ〜」
『水無月…』
学校がある建物がある向かいの建物の屋上にいた翡翠を見つけた水無月は翡翠の指の上にとまると、翡翠は水無月の顎をもう片方の指でコチョコチョすると満足そうに「ぷきゅぃ」と甘えるように鳴いた

「オイラ、捨てられたと思っちゃったエマよ〜神通力全然感じ取れなかったし〜、朝会えた時は嬉しかったエマ!」
『不安にさせてすみません。さっそくですが香夜の話を聞かせてくれますか?』
「わかったエマ!」

水無月は翡翠が姿を消してから学校へ登校途中まで話したことや特に家族のことは水無月もブチギレながら興奮し話をする。

『なるほど』
「どうするエマ?」
『どうもしません……それにしても島にいた時やご実家にいる時とはまるで別人のようですね』
「友達には恵まれてるって言ってたエマ」

翡翠の視線にいた香夜は女子生徒たち数人とお喋りをし大笑いしたり楽しそうに過ごしていた。

『私は一度、天界に戻ります。香夜をお願いしますね』
「え?オイラ置いてきぼりエマか〜」

翡翠はまた姿を消し、水無月だけになってしまった。

「エマぁぁ〜……ん?」
自分の周りが暗くなり、もう夜?と見上げるとカラスが「カァー」と水無月を威嚇し水無月ごと捕まえられてしまう。
「オイラ、餌じゃないエマよぉぉぉ!?助けて翡翠様ぁぁぁ!!!」

水無月の必死の叫びは届かず、どこかへ連れ去った。





 
「あれ?」
学校が終わり、水無月の姿がない。
てっきり「香夜〜」なんて言いながら飛んで来てくれるかと思ったのに。
水無月によると翡翠に神通力を注いでもらったことで霊力だけじゃなく神通力も感じることが出来るから香夜の神通力もわかると言っていたので、家にいれば戻ってくれかもしれない。


「家か……翡翠様が迎えに来てくれて一緒に帰っちゃったとか……」

考えが悪い方に行ってしまいそうだ。

家に帰りたくない香夜は公園でしばらく過ごすことにした。
いつものように。
学校がなかったら気が滅入りそうだ。


今日は姉たちの合コンに付き合わなければならないが、ギリギリまで家に帰るのを避けたい。