翌朝、早めに起きた香夜は水無月と一緒に公園で水無月が食べられそうな木の実や枝を探していた。
香夜ではわからないので水無月に自ら探してもらうしかない。水無月は空を飛び、探しに行っている最中、香夜はベンチで待っていた。
戻ってきた水無月は嬉しそうにご機嫌だった。
美味しいご飯にでもみつけたのだろうか?
家に戻り、食事の席に向かった。
食卓テーブルの4つの席に両親と姉2人が座って朝食を摂っていた。
香夜の席は床だ。
香夜は土下座し食事をいただけないかと頭を下げるとニヤニヤする家族たち。
香夜にとってはいつもの光景だ。
まだ未成年で独り立ちすら出来ない生きる術。
「恵んでやるわよ〜あははっ」
床にご飯を直接置き、熱い味噌󠄀汁を香夜の頭にかけ熱がる香夜を面白がり、納豆を顔面にぶちまけ大笑い。
無言で手づかみで食べようとすると「化け物のクセに手で食べるとか生意気なんだよ」とスリッパで何度も叩かれた。
「………」
香夜は立ち上がり風呂場の洗面所に向かった。
逃げだしたと笑う家族たち。
タオルで顔を拭いていると水無月がむぅ~と不機嫌な顔をした。飼い主(?)の翡翠と違い、表情はかなり豊かなようだ。
「オイラがあいつらぶっ飛ばしていいエマか?オイラこう見えて超強いエマよ!香夜のボディーガードしてやるエマっっ!」
殺る気満々の水無月を落ち着かせ自室に戻ると、床にはおにぎりが3つと味噌󠄀汁があった。
驚いているとまだホカホカで暖かそうだ。
「よくわかんないけど食べてみるエマ?香夜、昨日は朝以外食べてなくてお腹空いてるはずエマ?」
怪しみつつも美味しそうなおにぎりに手をのばし、恐る恐る一口食べてみる。
「あ……翡翠様が作ってくださったおにぎりの味!」
あまりの美味しさに頬張る。
味噌󠄀汁も翡翠の優しさが身に沁みるほど暖かい。
「翡翠様、近くにいるのかな?水無月ちゃん連れて帰るために戻ってきたとか?」
「わかんないエマ…」
時計を見ると登校時間だ。
慌てて着替え玄関を出ようとすると莉夕が香夜の足を引っ掛け転ばせ、笑いながら父親の車で大学へ向かった。父親が毎朝、姉2人を送っている。
「痛っ…水無月ちゃん大丈夫?」
「香夜が守ってくれたから平気エマ!」
制服のポケットに入っていた水無月はびょこっと顔を出し香夜を心配そうにしていた。
立ち上がり香夜も学校に向う。
「香夜が帰りたくないって言ってた理由わかったエマ…」
「…でしょ。早く独り暮らししたいんだけど、コンビニでバイトしてたんだけどバイト代は高校の授業料とスマホ代とか学校の交通費払って無くなって貯まらなくてね」
バイトしてたと過去形なのは親が強制的に辞めさせた。今思えば香夜を海に沈める計画があったんだろうなと察した。
そういえば徐々に思い出して来たが、その日「家族旅行に行こう」と笑顔で誘われ、嬉しくて何も考えず、のこのこ付いて行ったな…と。
「私、平凡だしこんな髪と目で就職だって出来るか分からないから翡翠様に拾ってもらえたらって…すがっちゃった…情けないよね。断られても仕方ない…」
「人間も大変エマね〜…学校ってとこは香夜を虐める人いるエマか?」
「学校は友達に恵まれてるから楽しくて好きなんだ。だから大丈夫だよ、心配してくれてありがとう水無月ちゃん」
お礼を伝えると目を細め、笑顔になる水無月。
水無月は「翡翠様を探す」と学校が終わるまでしばしのお別れをした。
香夜ではわからないので水無月に自ら探してもらうしかない。水無月は空を飛び、探しに行っている最中、香夜はベンチで待っていた。
戻ってきた水無月は嬉しそうにご機嫌だった。
美味しいご飯にでもみつけたのだろうか?
家に戻り、食事の席に向かった。
食卓テーブルの4つの席に両親と姉2人が座って朝食を摂っていた。
香夜の席は床だ。
香夜は土下座し食事をいただけないかと頭を下げるとニヤニヤする家族たち。
香夜にとってはいつもの光景だ。
まだ未成年で独り立ちすら出来ない生きる術。
「恵んでやるわよ〜あははっ」
床にご飯を直接置き、熱い味噌󠄀汁を香夜の頭にかけ熱がる香夜を面白がり、納豆を顔面にぶちまけ大笑い。
無言で手づかみで食べようとすると「化け物のクセに手で食べるとか生意気なんだよ」とスリッパで何度も叩かれた。
「………」
香夜は立ち上がり風呂場の洗面所に向かった。
逃げだしたと笑う家族たち。
タオルで顔を拭いていると水無月がむぅ~と不機嫌な顔をした。飼い主(?)の翡翠と違い、表情はかなり豊かなようだ。
「オイラがあいつらぶっ飛ばしていいエマか?オイラこう見えて超強いエマよ!香夜のボディーガードしてやるエマっっ!」
殺る気満々の水無月を落ち着かせ自室に戻ると、床にはおにぎりが3つと味噌󠄀汁があった。
驚いているとまだホカホカで暖かそうだ。
「よくわかんないけど食べてみるエマ?香夜、昨日は朝以外食べてなくてお腹空いてるはずエマ?」
怪しみつつも美味しそうなおにぎりに手をのばし、恐る恐る一口食べてみる。
「あ……翡翠様が作ってくださったおにぎりの味!」
あまりの美味しさに頬張る。
味噌󠄀汁も翡翠の優しさが身に沁みるほど暖かい。
「翡翠様、近くにいるのかな?水無月ちゃん連れて帰るために戻ってきたとか?」
「わかんないエマ…」
時計を見ると登校時間だ。
慌てて着替え玄関を出ようとすると莉夕が香夜の足を引っ掛け転ばせ、笑いながら父親の車で大学へ向かった。父親が毎朝、姉2人を送っている。
「痛っ…水無月ちゃん大丈夫?」
「香夜が守ってくれたから平気エマ!」
制服のポケットに入っていた水無月はびょこっと顔を出し香夜を心配そうにしていた。
立ち上がり香夜も学校に向う。
「香夜が帰りたくないって言ってた理由わかったエマ…」
「…でしょ。早く独り暮らししたいんだけど、コンビニでバイトしてたんだけどバイト代は高校の授業料とスマホ代とか学校の交通費払って無くなって貯まらなくてね」
バイトしてたと過去形なのは親が強制的に辞めさせた。今思えば香夜を海に沈める計画があったんだろうなと察した。
そういえば徐々に思い出して来たが、その日「家族旅行に行こう」と笑顔で誘われ、嬉しくて何も考えず、のこのこ付いて行ったな…と。
「私、平凡だしこんな髪と目で就職だって出来るか分からないから翡翠様に拾ってもらえたらって…すがっちゃった…情けないよね。断られても仕方ない…」
「人間も大変エマね〜…学校ってとこは香夜を虐める人いるエマか?」
「学校は友達に恵まれてるから楽しくて好きなんだ。だから大丈夫だよ、心配してくれてありがとう水無月ちゃん」
お礼を伝えると目を細め、笑顔になる水無月。
水無月は「翡翠様を探す」と学校が終わるまでしばしのお別れをした。



