翌朝。
「う〜…朝が来てしまった…」
「おはようエマ!支度したら翡翠様のとこ行くエマよ〜」
「…うん」
仕方なく準備をはじめる。
家には帰りたいし頼れる場所もない。未成年では自立なんて難しい。
今すがれるのは翡翠の元だけ。
(なんとか神子になれればいいなぁ…)
「おはようございます」
『ええ…おはようございます。よく眠れましたか?』
「…は、はい」
水無月に案内された部屋に行くと広い和室。
翡翠から座るように言われると目の前にはおにぎりとお味噌汁があった。
『昨晩は食事をされず寝てらしたでしょう?朝食はしっかり食べなさい』
「はい!ありがとうございます!」
(敬語だからかな、お母さんみたい…私の母親は…-)
気落ちしかけたのをやめ「いただきます」と手を合わせ、おにぎりを一口パクリ。
「美味しい…お米も塩加減も最高です!」
『ありがとうございます。北ノ島は食べ物が美味しい島ですからね』
「翡翠様は食事されないのですか?」
香夜の前にだけ食事が準備され、翡翠はお茶を飲んでいた。
『神は食事をしません。神の中には供物としていただく者もおりますがね。私たち四神は酒や水やお茶くらいならいただきます』
「そうなんですか…」
昔、何かで見た物に神様がお酒を持っていたのでお酒はわかるがお水やお茶は初めて知った。
「あの…!」
『食事中は喋らない。お行儀が悪いですよ』
「はい…」
今どき喋らないで食事する人なんていないのになぁ〜…と思いつつも神子の話を切り出せずにいた。
沈黙の中、香夜の食べる姿をじっと見つめていた翡翠。
香夜は緊張しつつ、食事を終えた。
「ごちそうさまでした。話をしても良いですか?」『はい。何か?』
「私を神子に…」
『お断りします』
即答でお断りされ撃沈してしまう香夜。
「うぅ…神通力があると神子になれるんですよね?今まで神子の方いらっしゃらなかったのですか?他の人と私とじゃ何が違うんですかぁ…」
ショックでだんだんと声が小さくなっていく。
『たしかに貴女は神子の資格はあります。私が認めなければ神子にはなれません。北ノ島にも神通力を持つ者は初代神子と呼ばれた者を除き、過去に数名おりましたが、私は誰一人として神子にしていませんね』
「なぜ神子にしないのですか?初代神子はよくて私は駄目なんですか〜」
『不要だからです。初代神子は私自身が認めたわけではありません。…が、初代がいた頃はまだ島に移住したばかりで人間同士やアヤカシと揉め事が多く仲裁に入っていたのは神子でしたから必要な存在でした。今は貴女を含め不要なのです』
「こんな人なら神子にしたいとか、ありますか!」
なんとか神子になりたい香夜は諦められず、くいついてみたが、翡翠の表情は変わらない。
『ありません。不要なのだから考えるだけ無駄です。荷物を持って外に出るように』
そう言って部屋を出ていくと、香夜は深いため息をついた。
「う〜…朝が来てしまった…」
「おはようエマ!支度したら翡翠様のとこ行くエマよ〜」
「…うん」
仕方なく準備をはじめる。
家には帰りたいし頼れる場所もない。未成年では自立なんて難しい。
今すがれるのは翡翠の元だけ。
(なんとか神子になれればいいなぁ…)
「おはようございます」
『ええ…おはようございます。よく眠れましたか?』
「…は、はい」
水無月に案内された部屋に行くと広い和室。
翡翠から座るように言われると目の前にはおにぎりとお味噌汁があった。
『昨晩は食事をされず寝てらしたでしょう?朝食はしっかり食べなさい』
「はい!ありがとうございます!」
(敬語だからかな、お母さんみたい…私の母親は…-)
気落ちしかけたのをやめ「いただきます」と手を合わせ、おにぎりを一口パクリ。
「美味しい…お米も塩加減も最高です!」
『ありがとうございます。北ノ島は食べ物が美味しい島ですからね』
「翡翠様は食事されないのですか?」
香夜の前にだけ食事が準備され、翡翠はお茶を飲んでいた。
『神は食事をしません。神の中には供物としていただく者もおりますがね。私たち四神は酒や水やお茶くらいならいただきます』
「そうなんですか…」
昔、何かで見た物に神様がお酒を持っていたのでお酒はわかるがお水やお茶は初めて知った。
「あの…!」
『食事中は喋らない。お行儀が悪いですよ』
「はい…」
今どき喋らないで食事する人なんていないのになぁ〜…と思いつつも神子の話を切り出せずにいた。
沈黙の中、香夜の食べる姿をじっと見つめていた翡翠。
香夜は緊張しつつ、食事を終えた。
「ごちそうさまでした。話をしても良いですか?」『はい。何か?』
「私を神子に…」
『お断りします』
即答でお断りされ撃沈してしまう香夜。
「うぅ…神通力があると神子になれるんですよね?今まで神子の方いらっしゃらなかったのですか?他の人と私とじゃ何が違うんですかぁ…」
ショックでだんだんと声が小さくなっていく。
『たしかに貴女は神子の資格はあります。私が認めなければ神子にはなれません。北ノ島にも神通力を持つ者は初代神子と呼ばれた者を除き、過去に数名おりましたが、私は誰一人として神子にしていませんね』
「なぜ神子にしないのですか?初代神子はよくて私は駄目なんですか〜」
『不要だからです。初代神子は私自身が認めたわけではありません。…が、初代がいた頃はまだ島に移住したばかりで人間同士やアヤカシと揉め事が多く仲裁に入っていたのは神子でしたから必要な存在でした。今は貴女を含め不要なのです』
「こんな人なら神子にしたいとか、ありますか!」
なんとか神子になりたい香夜は諦められず、くいついてみたが、翡翠の表情は変わらない。
『ありません。不要なのだから考えるだけ無駄です。荷物を持って外に出るように』
そう言って部屋を出ていくと、香夜は深いため息をついた。



