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　その後も文芸部は毎日僕の家に押し掛けた。

　書斎を占領して、読んだ本のことや冊子に載せる作品について真面目に話し合う日もあれば、全員で手分けして宿題を進める日もあり、「創作のインスピレーションのため」と言って色んな場所に出かける日もあった（当然のように僕も連れ回された）。

　僕に課されている作品は、原稿用紙二十枚ほどの短編小説。大まかな構想はまとまりつつあるけれど、まだ結末や詳細を詰め切れていない。学習机の上に置いてある原稿用紙はずっと白紙のままだ。

　書き出しをどうするか、とか、一人称なのか三人称なのか、とか、そもそもキャラクターの名前や性格とか、どんな舞台にするかとか、決めなきゃいけないことが多くて、夜に一人で原稿用紙に向かって腕組みして考えるたびに、本当に僕に小説なんて書けるんだろうかという気になる。