夜明けを示す北極星〔みちしるべ〕

 それから、仲介屋で、依頼人である坂本咲希さんと相談して坂本健次郎殺害計画を改めて確認した。

 咲希が帰ってから仲介屋のナツキが言った。
「坂本健次郎って、やべー奴みてぇだ。ハツキ、雨夜ちゃん、気をつけろよ。」
「はい。知ってます。」
 平然と答える雨夜。
「え?」
 前のめりになりながらナツキは
「もしかして、、雨夜ちゃん、健次郎って奴と知り合い?」
 と訊いた。
「知り合いではないです。ただ、、そいつの悪事は影さんから聞いてます。全体で説明される前に影さんから確認の連絡が来ましたから。」
「確認の連絡?」
 俺が繰り返す。
「うん。危険な仕事内容に加え、ターゲットも危険な人物です。というようなことを電話で事前に伝えられました。私はもちろん、わかりました。お引き受けします。と。」
 平然とした様子で雨夜は説明した。
「はーん、なるほどねー、、。影さんって依頼人全てって感じがするけどちゃんと仲間想いなんだ。」
 ナツキがうんうん、と頷きながら言う。
「いや、どーいうイメージだよ。だって掟に失敗してもいいから生きて帰って来いってあるだろ?」
「あ、確かにそうだな。」

「でも、ホントに気をつけてよ。お前らに何かあったら」
「ねぇよ!」「ないです。」
 見事に俺らはシンクロし、ナツキの言葉を遮った。
「2人は大丈夫よ。何をそんなに心配してるの?」
 ミツキが横から訊く。
「なーんか嫌な予感がするんだよ。ほら?なんつーの?仲介屋の勘?」
「知らないわよ!あたしに聞かないでよ!」
 4人は同時に吹き出し、ナツキの勘はうやむやになった。

だが、、この勘が当たっていたなんて、、知らなかった。