翌日。
また俺は遅刻ギリギリに起きて家を飛び出した。
昨日よりは早く着くことができたから定刻には余裕だった。
まぁ、滑り込みセーフなのだが、、。
「はよーざいまーす!」
明るく挨拶しながら部屋に入ると
「遅い!」
とまた要に怒鳴られた。
「今日はちゃんと9時に着きました。」
と小声で言い返す。
「なんだ?」
急に不機嫌な声が返ってきた。
手に持ったペンを机にリズムよく叩いている。
顔も眉間に皺を寄せている。
これはそっとしておいたほうが良さそう
だ。
「なんでもないっす。」
と慌てて声をかけた。
──なんだろう、、。部屋の空気がいつもと違う。要は機嫌が悪いし、みんなも少しピリピリしている。感じが悪い。
「どうしたんすか?」
鈴に思わず訊いた。
「新しい子が入ってくるみたいなんだけど、、それが、、。」
鈴も歯切れが悪い。
──一体、なにがあったんだ?
1人モヤモヤしていると、影が部屋に入ってきた。
影は此処、えいれい社の社長。
いつも狼の面をつけているため表情はよくわからない。
ちなみに、俺たちは外で仕事をする時、面をつけている。
影に続いて入ってきた人を見て俺は、思わず
「え、、?」
と呟きを漏らした。
昨日の、あの、少女だった。
「みんな、聴いてください。彼女はアマヤ、15歳です。今日から此処で働いてもらいます。」
影が、静かに、だが良く通る声で言った。
「アマヤです。降る雨に夜で、雨夜。よろしくお願いします。」
と、少女、雨夜が頭を下げた。
──あの子、雨夜って言うんだ。
アマヤを雨夜と漢字にあてながら思った。
──って、そんな呑気なことじゃねぇ!?今、働くって言った?此処で?
俺は唖然とした。
開いた口が塞がらないって、、こんな時に使うんだろうな、、とまた場違いなことを考えた。
周りを見るとみんな硬い表情をしていた。
だって、俺のいるこの会社は、、。
此処、えいれい社は裏で殺し屋、犯罪コンサルタントの仕事をしている。
そして、俺の仕事は、殺し屋。
──同じ仕事を15歳の少女がするって言うのか?正気か?
そう叫ぼうとした時、俺じゃない声が響いた。
「正気か?あんた、、この仕事を子供にやらせる気か?」
要だ。
ペンをリズミカルに机に叩きながら、影を睨んでいる。
「はい、、。」
頷いた影もなんだか苦しそうだ。
するとその時、雨夜の声が響いた。
「覚悟はできています。だから、よろしくお願いします。」
冷たい、透き通るような声だった。
そしてもう一度、雨夜が俺たちに頭を下げた。
その声と姿に要が少し怯んだ。
「だ、だが、こんなこと」
「まぁ、いいんじゃないすか?俺だって一応ティーンエイジャーですし。」
要の言葉を遮るように俺は言った。
俺は何故か直感した。
彼女はなにを言ってもきかないと。
だから声を上げた。
あの、、覚悟を決めたような目を見たら、助けてあげたくなる。
だって、、。
だって、俺と同じような目をしているから。
冷たくて真っ直ぐな、覚悟を決めた目。
此処に来た時の俺と同じ目をしている。
「葉月。お前までなにを考えているんだ。」
要が俺に向かって強くあたる。
「でも、要さん。影もあぁ言ってるんですよ?俺らが反対してもどうにもならねぇと思うんすよ。だから、影の言う通りにしたらいいと思います。俺は。」
俺と目が一緒だから、とか言ったら、変な目を向けられる。
言い訳ではないが、要が納得するような言葉を選んだ。
「本当に、いいんだな?影さん。」
要が念押しするように影に言った。
「えぇ。私は、雨夜を雇います。」
覚悟を決めたように、今度は歯切れよく言った。
「わかった。」
要はため息を吐きながら軽く言い、それ以上はなにも言わない、と言うように口を閉ざした。
また俺は遅刻ギリギリに起きて家を飛び出した。
昨日よりは早く着くことができたから定刻には余裕だった。
まぁ、滑り込みセーフなのだが、、。
「はよーざいまーす!」
明るく挨拶しながら部屋に入ると
「遅い!」
とまた要に怒鳴られた。
「今日はちゃんと9時に着きました。」
と小声で言い返す。
「なんだ?」
急に不機嫌な声が返ってきた。
手に持ったペンを机にリズムよく叩いている。
顔も眉間に皺を寄せている。
これはそっとしておいたほうが良さそう
だ。
「なんでもないっす。」
と慌てて声をかけた。
──なんだろう、、。部屋の空気がいつもと違う。要は機嫌が悪いし、みんなも少しピリピリしている。感じが悪い。
「どうしたんすか?」
鈴に思わず訊いた。
「新しい子が入ってくるみたいなんだけど、、それが、、。」
鈴も歯切れが悪い。
──一体、なにがあったんだ?
1人モヤモヤしていると、影が部屋に入ってきた。
影は此処、えいれい社の社長。
いつも狼の面をつけているため表情はよくわからない。
ちなみに、俺たちは外で仕事をする時、面をつけている。
影に続いて入ってきた人を見て俺は、思わず
「え、、?」
と呟きを漏らした。
昨日の、あの、少女だった。
「みんな、聴いてください。彼女はアマヤ、15歳です。今日から此処で働いてもらいます。」
影が、静かに、だが良く通る声で言った。
「アマヤです。降る雨に夜で、雨夜。よろしくお願いします。」
と、少女、雨夜が頭を下げた。
──あの子、雨夜って言うんだ。
アマヤを雨夜と漢字にあてながら思った。
──って、そんな呑気なことじゃねぇ!?今、働くって言った?此処で?
俺は唖然とした。
開いた口が塞がらないって、、こんな時に使うんだろうな、、とまた場違いなことを考えた。
周りを見るとみんな硬い表情をしていた。
だって、俺のいるこの会社は、、。
此処、えいれい社は裏で殺し屋、犯罪コンサルタントの仕事をしている。
そして、俺の仕事は、殺し屋。
──同じ仕事を15歳の少女がするって言うのか?正気か?
そう叫ぼうとした時、俺じゃない声が響いた。
「正気か?あんた、、この仕事を子供にやらせる気か?」
要だ。
ペンをリズミカルに机に叩きながら、影を睨んでいる。
「はい、、。」
頷いた影もなんだか苦しそうだ。
するとその時、雨夜の声が響いた。
「覚悟はできています。だから、よろしくお願いします。」
冷たい、透き通るような声だった。
そしてもう一度、雨夜が俺たちに頭を下げた。
その声と姿に要が少し怯んだ。
「だ、だが、こんなこと」
「まぁ、いいんじゃないすか?俺だって一応ティーンエイジャーですし。」
要の言葉を遮るように俺は言った。
俺は何故か直感した。
彼女はなにを言ってもきかないと。
だから声を上げた。
あの、、覚悟を決めたような目を見たら、助けてあげたくなる。
だって、、。
だって、俺と同じような目をしているから。
冷たくて真っ直ぐな、覚悟を決めた目。
此処に来た時の俺と同じ目をしている。
「葉月。お前までなにを考えているんだ。」
要が俺に向かって強くあたる。
「でも、要さん。影もあぁ言ってるんですよ?俺らが反対してもどうにもならねぇと思うんすよ。だから、影の言う通りにしたらいいと思います。俺は。」
俺と目が一緒だから、とか言ったら、変な目を向けられる。
言い訳ではないが、要が納得するような言葉を選んだ。
「本当に、いいんだな?影さん。」
要が念押しするように影に言った。
「えぇ。私は、雨夜を雇います。」
覚悟を決めたように、今度は歯切れよく言った。
「わかった。」
要はため息を吐きながら軽く言い、それ以上はなにも言わない、と言うように口を閉ざした。



