第五章 依り代の主

 隣の家の息子さん。なんだか怪しい人間と関わってるみたいなのよ。なんなのかしらね、気持ち悪い。あとでお祓いに行こうかしら。あの息子さん、妙な雰囲気があって怖いのよね。アナタはこうなる、明日は晴れる。あの息子さんの言葉は預言みたいに、すべてのことを覆すんだもの。

 稀有な力だ。どこの誰かもわからない男に、彼はそそのかされた。
 もともと彼は、順風満帆な人生を歩んできた。有言実行とはまさにこのことで、彼はいつ、なにがあっても失敗したことがない。
 運動会の日、台風の予報が出されていた時、彼は強く強く願った。『明日の天気を晴れにしてください』強く強く願って、なんなら声にした。
 すると運動会当日、どういうわけか台風が日本列島をそれて、見事なまでの秋晴れとなった。
 それだけではない。遠足の日だってそうだったし、受験だって、どんなに難しいと言われる学校でも、彼は一発で合格できた。しかも勉強もせずに。
 自分は『ツいてる』のだと、彼自身も自覚していた。彼はなんでも手に入ったし、なんでも思い通りにできた。
 そんな矢先だった。
「アナタが林田正友くん?」
 予感がした。この男は、自分の正体を知っているのだと。
 彼――正友は初対面の男に言った。
「俺は特別なんですか?」
「話が早い。そうです、アナタは特別です」
 ならば、と正友はさらに踏み込んだ質問をする。
「アナタは何者ですか」
「私? 私はエドガー。そうだな。ぜひともアナタの力を貸してほしい。アナタの力は、他人を幸せにできる」
 正友はその日以来、エドガーの言う通りに生きた。

 エドガーには契約した悪魔が四体いる。そのうちの一体が『目的の人物を探し出す』悪魔だ。いまやほとんど霊力を使えないエドガーが、微々たる霊力を使って探し出したその人物が、正友であった。正友の力を利用して、エドガーは呪詛るんを世間に浸透させようともくろんだのだ。
 そうとも知らず、正友はエドガーの言葉をすべて信じた。
 まず、正友自身も気づいていない、その力のことについて教えられた。
「正友には霊力がある。その霊力を言霊として発することも」
「なるほど、言霊……」
 思い当たる節は多々あった。正友が口にした願いごとは、なんだって叶った。つまり、正友の言葉に霊力が宿るのだ。
 だとして、この力で他人を幸せにする、とはどういうことなのだろうか。
 正友が聞くまでもなく、エドガーが答える。
「依り代を作るのです」
「依り代?」
「はい。言霊をものに込めて、身代わり人形を作るのです。身代わりだけじゃない、願望をかなえる言霊も」
「なるほど。それならこの力を、いろんなひとにわけられるね」
 しかし、言うは易し。言霊をものに込めるのは、なかなか苦戦した。なにより、ダイレクトに言霊を使うのとは違い、ものに込められた言霊の威力はオリジナルの一割にも満たない。
 だから、正友は、何度も、何度もものに言霊をかけて依り代を作った。
 そのかいあってか、徐々に依り代の存在が世間に知れ渡り、今では正友は、依り代による収入だけで生計を立てている。
「正友。そんなにまじめに言霊を込めなくとも大丈夫だ」
「でも。ひとつでも効果がないものが混じっていたら、みんな買わなくなるよ」
「真面目だねえ」
 エドガーが依り代をたくさんの人間に広めていく。
 よくよく考えれば、依り代として売り出すのではなく、正友自身が言霊使いとして活動したほうが効率的ではあるのだが、正友はそれをしようとはしなかった。あくまで自分は裏方の人間に徹したい。正友のまじめな性格も、エドガーからしてみれば計算内だ。
 さあ、これにつられて呪詛るんがどれだけ浸透するか。
 タネは撒いた。エドガーの誤算があるとすれば、この正友の言霊の能力こそが、坂野の欲していた力であったことだろう。

 夜の部屋に鈴の音が響いた。
 その日も正友は夜遅くまで依り代を作っていた。集中しすぎて鈴の音に気づかないくらいだった。
「やあ」
「う、わ! え、だれ?」
 正友を遮るように、坂野が正友をのぞき込む。そこでようやく正友も坂野の存在に気づく。しかし、驚いた様子はない。
「あ、もしかして、エドガーさんの知り合いですか?」
「やっぱりエドガーが絡んでたか」
「あれ、もしかして商売敵でした?」
「いや。まさか。でも、そうだね。君の依り代、本当に厄介でさあ」
 坂野は「よっこいしょ」とその場に座り込む。正友も作業の手を止めて、坂野の話に耳を傾けた。
「依り代が悪用されていることは知っているかい?」
「え、悪用って、誰が?」
「はー。やっぱりか」
 まるでなにも聞かされていないのは予想内だが、本人に全く悪気がないのが本当にやりづらい。
 坂野はどうしたものかと考えるも、ここは正直に答えることにする。
「エドガーが君に依り代を作らせる理由っていうのが、多くの人間に呪詛るんを使わせるためで」
「え。待って。呪詛るんって、あの?」
「そう。あの。君の依り代があれば、呪詛るんの呪いは跳ね返せるからね。だから、依り代をたくさん配って、呪詛るんのユーザーも増やそうって魂胆」
「……ちょっと待ってください。なにかの間違いじゃ」
 ここまで話しても、正友はエドガーを疑おうとはしない。こういう人間が一番厄介だ。正友のように、悪意なく悪に加担してしまう人間が。
 坂野はふうっとため息をつく。その膝に、けむくじゃらのなにかがいることに正友も気づいた。
「犬……? うちのマンション、ペット禁止なんですけど」
「いや、この子は式神。わかるでしょ。僕は人間じゃない」
「あ、やっぱりそうでしたか。エドガーさんとは少し違うなと思っていたんですけど」
 わかっていてなお、警戒心を見せない正友はやりにくい。
 これをどう説得するか、坂野は迷っていた。
「坂野さん。それでも俺は、依り代を作りますよ」
「そう言うと思った。なんでそんなに必死なの」
「そりゃ、自分にしかできないことってあるじゃないですか。坂野さんもそうでしょう?」
「僕、自分が陰陽師だって言ったっけ」
「いえ。でも、なんとなく、俺と同じかなとは思ってて」
 霊力の高い人間は勘も鋭いことが多い。しかし、霊力の高い人間はそうそうこの世界に生まれてこない。そうでなければ、世界のバランスが崩れる。
「昔、おばあちゃんに言われたんです」
「おばあさんに?」
「はい。誰かのために生きなさいって」
「へえ。殊勝な心掛けだけれど、君の力で、誰かが不幸になってるのに?」
「でも、幸せになっているひともいます」
「折れないねえ」
 いっそ呪詛るんを悪用している人間であったのならば、少し痛い目見せて説教してやるところを、正友にはそういった悪意がひとつもない。
「でも、こうも言ってました」
 ふいに思い出したように、正友が付け加えた。
「呪詛るんだけはなにがあっても使うな。もし使った人間がいたら、道を正してやりなさいって」
「へえ。なかなか見込みのあるおばあさんだねえ」
 正友が、いまさっき出来上がったばかりの依り代を手に取る。アクセサリーだったりストラップだったりぬいぐるみだったり。
 思うところがあるのか、正友がすうっと深呼吸をした。
「俺、依り代作るの――」
「やめる、とか言わないですよね?」
「エドガーさん……?」
 部屋の空気が一気に凍る。
 エドガーの魔術によって空間がゆがんで押しつぶされて、正友は息ができなくなる。苦しさのあまり喉をかきむしるも、エドガーはいたぶるように正友を眺めている。
「あ……あ……おれ、は……」
「嫌だ嫌だ。サカノの目的が正友だったなんて」
「う、あ……!」
 魔術と陰陽術は似て非なるもの。ゆえに坂野は出遅れた。エドガーが作り出した空間から締め出された坂野は、陰陽術を駆使してエドガーの空間に穴をあける。
 間一髪のところで正友を救い出し、正友を背中にかばいエドガーに立ちふさがる。
「エドガー! 君はどこまでひとをあざ笑えば……!」
「サカノ。アナタが私に説教か? 呪詛るんを作っておいて、私に説教か?」
「げほっ、坂野さん。呪詛るんを作ったって……」
 正友がひゅうひゅうと肩で息をしながら坂野に問い詰める。坂野は後ろ手に頷くだけで、なにも言わない。
 エドガーが甲高い笑いを漏らした。正友が坂野に侮蔑の目を向けたからだ。
「馬鹿だったんだ。僕はおろかだった。だからこそ、僕は君を探していた」
「サカノ。なにを企んでいるのか知らないが、依り代を手に入れたところでオマエは」
「僕が欲しいのは依り代じゃない。林田正友くんの言霊だ」
 エドガーがまた、笑いを漏らす。正友には確かに霊力がある。だが、その霊力をもってしても、坂野の足元にも及ばない。坂野を殺すことも、式神を滅することもできるわけがない。余裕の笑みだ。なんなら、馬鹿にして見下してあざ笑った。
 しかし、そんなエドガーの余裕はすぐに崩される。
「君に、僕の存在を否定してほしいんだ」
「坂野さん……?」
「僕が消えれば、すべての式神がこの世から消える。霊的干渉が消えるんだ。むろん、呪詛るんも使えなくなる。そういう契約を、冥界の王とね」
「サカノ!」
 エドガーが吼えた。いくらなんでも、そのようなことは不可能なはずだ。そう思う反面、坂野の存在を否定するだけならば、正友の霊力でもなし得る可能性は充ある。
 万が一の可能性を考慮して、エドガーが正友を説得にかかる。
「正友、それは殺人と同じだ」
「正友くん、お願いだ。坂野弘彦がいない世界を、願ってくれないか」
「で、でも……」
 坂野は多くの人間に自分の名前を呪詛るんに書かせてきた。それに加えて、正友がその言霊を使えば、坂野の存在を消すことが可能になるかもしれない。
 いや、待て。エドガーの脳裏にある可能性が浮かぶ。それならば、言霊の力で自分を不老不死にすることも可能ではないか。
「正友! サカノは悪いやつだ」
「エドガーさん……?」
「だから私を不老不死にしてくれ。私はサカノを止めなければならない」
 まるで嘘八百だ。エドガーは正友を利用するだけ利用して、自分の目的を遂行したいだけだ。
 しかし、正友は首を縦に振らなかった。代わりに、エドガーへの不信の目と、坂野への希望の目を見せる。
 ダメだ。正友はすべてを知ってしまった。
 エドガーは本能的に理解して、正友を殺すことに決める。
 がっと床をけり、エドガーが走る。しかし、正友のほうが速かった。正友に迷いがなかったわけではない。だが、呪詛るんの存在は正友自身も知っていたし、なにより。
「花江おばあちゃんの遺言です。坂野さんに助けを求められたら、助けてあげろって」
「ああ、そうか。懐かしい霊力だと思ったら。森野花江さんの孫だったのか」
 ほんの一瞬のやり取りだ。それだけ語って、正友はその言葉を口にした。強く、強く願いながら。
「坂野弘彦、彼のいない世界に」
 果たして、坂野の存在が消える。
 時が逆巻く、逆巻く、逆巻いて――。
 坂野も、正友も、エドガーも。世界のすべての存在が、リセットされていく。そのさなか、坂野が最後に見たものは、エドガーの人生、それであった。

***

 エドガーは日本に住むイタリア系のクオーターだ。曾祖母がイタリア人で、日本に渡り帰化したため、日本語も流ちょうに話せる。そして、この屋敷の主である。
 とある町のはずれに、廃墟がある。町の人々は昔殺人があった屋敷だからと、誰も近寄らない廃墟だ。だが実際、ここは迫害された人間が住んでいたのだから、噂話も馬鹿にならないものである。

 エドガーの曾祖父は日本のこの町で生まれた。観光地としても有名なこの地で、観光ガイドをして生計を立てていた。そこで出会ったのがエドガーの曾祖母である。エドガーの曾祖母は、イタリアから観光で日本を訪れていた。それを、曾祖父が一目ぼれし、観光滞在中に猛アタックして彼女の心を射止めたのだ。
 しかも曾祖母はイタリアでもかなり有名な財閥で、日本に移住するにあたり両親からこの屋敷をプレゼントされた。
 屋敷のつくりはとても豪華で、日本には似合わない外観をしている。それに加えて、曾祖父の時代はまだ外国人が珍しく、エドガーの曾祖母はたいそう不便な思いをしたと、エドガーは聞いている。
「大おばあさま、お話を聞かせて」
「またかい、エドガー」
 エドガーが四歳になるまで、曾祖母は生きていた。曾祖父は早々に亡くなり、曾祖母はいつも寂しそうに夫婦写真を眺めていた。
 その、曾祖母から聞くイタリアの話が、エドガーはなにより好きだった。
 エドガー自身も、日本という国で差別され、学校では肩身の狭い思いをしていた。だから余計に、曾祖母の話を聞くのが楽しかった。自分の居場所は日本ではない。イタリアなのだと思うほどであった。
「イタリアには魔術というものが存在してね」
「『まじつ』! それは、お化けとか幽霊とか?」
「いいえ。魔術はね、悪魔や天使を召喚するものよ」
「悪魔を!? でも、悪魔って悪いやつじゃん」
「使いかたを誤らなければ大丈夫。魔術師は、悪魔を従えることができるのよ。だから、悪魔を召喚しても平気なの。すごいひとたちなのよ」
 よもや、自分が魔術師になろうとは、この時のエドガーは思いもしなかった。
「イタリアに行けば、おれも『まじつし』になれる?」
「どうかしら。魔術師になれるのはほんの一握りよ」
「おれ、たくさん練習する」
「あら、エドガーは魔術に興味があるの?」
 エドガーの曾祖母が優しく笑う。エドガーは曾祖母の膝に乗り、こぶしを作って曾祖母に見せる。
「おれは強いから。きっとだいじょぶ」
「そう、エドガーは強いのね」
「うん、つよいの」
 だが、曾祖母は知っている。エドガーが幼稚園でどんな扱いを受けているか。曾祖母がイタリア人なばかりに、この子は不憫な思いをしている。
 土地柄仕方のないことだとわかっていても、エドガーには心の広い大人に育ってほしいと願ってしまう。
「大おばあさま?」
「エドガー。どんなことがあっても、素直に育っておくれ」
「すなお?」
「そう。まっすぐにってことよ」
「わかった! まっすぐな『まじつし』になるよ!」
 曾祖母との会話はいつでも楽しく、エドガーを異世界へといざなった。
 曾祖母は日本に来てから、たくさんのことを勉強した。日本語に始まって、風土のこと、食べ物のこと。
 だが、唯一理解できなかったのは、閉鎖的な、排他的な町の人々のことだった。
 日本は島国だ、隣り合う国がないためか、異国の人間にことさら過敏で、平気で他人を虐げる。
 日本は好きだが、その文化だけが、気がかりだった。こと、エドガーは素直すぎるほど素直で、ひとの悪意に簡単に侵されてしまう。だからこそ、この子にはもっと世界の広さを教えねばと思ったのだ。
 曾祖母の心配などつゆ知らず、エドガーは曾祖母の膝の上でこくりこくりと居眠りをしていた。

 曾祖母が亡くなったのはそれから数週間後のことだった。
 エドガーは泣いた。居場所がなくなった。なにより悲しかったのは、クラスメイトが「悪魔が死んだ!」と揶揄したことだった。子供にとって異国の人間は、人間ではないらしい。
「大おばあさまは悪魔なんかじゃない!」
「やーい、悪魔の一族! お前も一緒に死ねばよかったんだ!」
 差別的な町だった。ゆえに、教師も大人も、誰ひとりエドガーをかばうものなどいなかった。悔しさと悲しさとやるせなさと、無力感。
 国が違うだけでなぜこうも無碍に扱われるのだろうか。同じ人間なのに、なぜ。
 幼いながらもエドガーはこの世界の不条理を経験した。世界を憎みさえした。
 復讐してやろうと思った。同時に、エドガーは死が怖くなった。
 動かなくなった曾祖母は、生きているときとなんら変わらないはずなのに、その死骸には妙な恐怖があった。
 昨日まで息をして、温度をもっていた体が、今はもう冷たく動かない。
 死に化粧がその恐怖をさらに高めた。大おばあさまはこんな派手な化粧はしない。もっとしとやかで柔らかく、あたたかなひとだった。
 この時、エドガー少年の中に目覚めたのは、死への恐怖――いや、不死への興味と熱望である。
「お父さん、お母さん。おれは、日本にいたくない」
「そうか。幼稚園でもうまくいってないみたいだしな」
「そうね。私たちではどうにもできないわ。エドガーだけでも、イタリアの親戚に預けますか?」
 両親は日本を離れられなかった。ずっと日本で暮らしてきた両親にとっては、多少窮屈でも生まれ育った町のほうがいいのだろう。
 こんな町、嫌いだ。エドガー少年はその後、十五になるまでイタリアで暮らすこととなる。

 イタリアでは、多くの人間が魔術を信じている。なかには、魔術を行う人間もいるほどだ。エドガー少年はのびのびと育った。曾祖母のことも忘れ、死への恐怖も薄れた。
 そんな、エドガーに、訃報が入った。屋敷が火事になったのだ。その火事で、両親も兄弟も焼け死んだ。
 うそだ、と思った。こんなことがあってたまるか。
 つい先日も、国際電話で話したばかりだ。寒くなったから火のもとには気を付けて。そう言ったのは母のほうだ。そんな母が、火の不始末なんてあり得るのだろうか。
 すぐさま日本に帰国して、エドガーは葬式で喪主を務めた。
 町の人々が焼香に訪れる。しかし、泣いている者はいない。
 その代わり、陰口を言うひとはたくさんいた。
「これで町の治安が良くなる」
「家も燃えてなくなればよかったのに」
「あの息子、見ないと思ってたら海外に逃げてたんですって」
「帰ってくるのか? やめてくれ」
 唇をかみしめる。こんな町、こちらから願い下げだ。
 心に反して、エドガーは日本に帰国する決意をする。この屋敷は修繕して、以前のままに残すことにした。家族の痕跡をこの世にとどめておくためにも、エドガーは定期的にこの屋敷を訪れている。ただし、町の人間に気づかれないように。
「俺は絶対に、不老不死になるよ」
 墓前で誓った。エドガーは、未来永劫この町の住人を呪うことにした。自分が生き続けている限り、自分の家族も、エドガー自身もこの世界から消えてなくなることはない。それこそがこの町の人間への復讐だと、エドガーはその日から魔術を学んだ。
 そんななかで、坂野弘彦と呪詛るんの存在を知った。エドガーがそれまで呪詛るんの存在を知らなかったのは、エドガーの人生が幸せで充実したものだったからだ。
 エドガーはこの世界に復讐を果たしたい。この世界、エドガーの知る世界、日本のとある町の、狭い狭い世界に。