4番 川田駿太

「人狼は君たち3人です。市民にバレないように市民全員を殺せばあなた達の勝ちです」
急に始まった人狼ゲームに無理やり参加させられ、その上に人狼にされてしまうなんて俺はとことんついていないな。
たったの3人で俺達人狼が勝てるのか?
それに仲間の人狼は、教室でも常に静かな茜音と一度も話したことがない凛香。
この2人と協力なんて出来るのかよ。
俺は心底心配だった。
「それよりゲームマスター1つ聞きたいんだけどよ、もしかしてこれってリアル人狼ゲームなのか・・・・・・?」
俺の発言に茜音と凛香が一斉にこちらを見る。

「君は頭がいいですね。君の言う通りです」
もしかしてとは思ったが、1番嫌な予感が的中してしまった。
役職が言い渡された時、俺の部屋には銃が置いてあった。
ということは、夜のターンには俺達の手でクラスメイトを殺さないといけないんだ。
考えただけでも吐き気がする。
「このターンは人狼の襲撃は無しです。襲撃は次の夜のターンから、次の朝が来るまで人狼同士でお話でもしてて下さい」

黒田はそう言って俺たちの前から居なくなる。
お話でもしててと言われても、俺たちは元々仲がいい訳でもなかったので、その場にはしばらく無言が続く。
「とりあえず、これから協力していこう」
俺達が勝つためには、3人で協力する以外に方法は無い。
「私は絶対に死にたくない。だから絶対に勝つ」
「私は2人の足を引っ張らないように頑張るね」
本当にこれで勝てるのかは心配だった。
もしも負けたら死ぬんだぞ。
俺は必死に平常を装っているが、この2人はいつも通りにしか見えない。
最悪俺一人でも勝てれば生き残ることが出来る。
今はただ生き残ることだけを考えよう。

「あっ、メールだ」
『夜のターンは終了です。全員2年1組に集まって下さい』
差出人は黒田だ。でもどうしてクラスのグループにあいつが入ってるんだ。
あいつは結局誰なんだ。
何もわからないまま俺達は2年1組へ向かった。

死亡者
なし