15番 蛇沢凛香
残る人狼は私一人になってしまった。
正直私は茜音が怖かった。
同じ人狼という仲間だったが、普段の姿とは違う本性が見えた。
茜音が普段本性を隠していることは分かっていたが、まさかここまでだとは思いもしなかった。
一人になってしまった今、私は勝てる気がしなかった。
だけど今回襲撃すべき人は絶対に咲希だ。
預言者をこれ以上生かしておくわけにはいかない。
「とうとう人狼も一人になってしまいましたね」
「そろそろ教えてください。この人狼ゲームの目的を・・・・・・」
このゲームが始まって以降、黒田と名乗るこの男性に聞ける機会がなかった。
でも今なら聞くことが出来る。
どうしてこんなデスゲームをやろうと思ったのか。
「復讐ですよ」
「復讐・・・・・・? どういうことですか。あなたは私達のことを知らないじゃないですか」
他の人はともかく、私はこの男と面識なんて一つもない。
そんな人が私達になんの復讐をするんだ。
「これ以上は何も言えません」
「そんな・・・・・・」
結局これ以上は何も聞けなかった。
「襲撃する人は決まりましたか?」
「咲希を襲撃します」
「それでは咲希さんの教室はこちらです」
私は一人黒田さんの後ろを着いていく。
今までは茜音が殺してくれていた。
だけどその茜音はもういない。
ということは私の手で咲希を殺さないといけないんだ。
咲希の教室へ案内され、ドアを開くとまるで待っていたかのように、咲希は立ち尽くしていた。
「凛香が人狼だったんだ・・・・・・」
「うん・・・・・・」
咲希は襲撃されることを知っていたんだ。
だからもう準備が出来ている。
けれど私の心の準備はまだ出来ていない。
「ほら、早く撃ちな。私はもう覚悟が決まってるからさ」
「どうして・・・・・・」
どうしてみんな簡単に死を受け入れられるの?
人生が終わってしまうんだよ?
私はまだやりたいことも沢山あるし、叶えたい夢だってある。
みんな死ぬのが怖くないの?
私はもうどうにかなりそうだった。
「私は後悔してないよ。だってこれまでの人生でもすごい充実してたからさ」
咲希の笑顔はとても輝いていた。
自分の人生に誇りを持っているんだ。
私も咲希を見習わないといけない。
私はやっと意を決することが出来た。
「咲希、ごめんね・・・・・・」
──バンッ!
死亡者
高平咲希
残る人狼は私一人になってしまった。
正直私は茜音が怖かった。
同じ人狼という仲間だったが、普段の姿とは違う本性が見えた。
茜音が普段本性を隠していることは分かっていたが、まさかここまでだとは思いもしなかった。
一人になってしまった今、私は勝てる気がしなかった。
だけど今回襲撃すべき人は絶対に咲希だ。
預言者をこれ以上生かしておくわけにはいかない。
「とうとう人狼も一人になってしまいましたね」
「そろそろ教えてください。この人狼ゲームの目的を・・・・・・」
このゲームが始まって以降、黒田と名乗るこの男性に聞ける機会がなかった。
でも今なら聞くことが出来る。
どうしてこんなデスゲームをやろうと思ったのか。
「復讐ですよ」
「復讐・・・・・・? どういうことですか。あなたは私達のことを知らないじゃないですか」
他の人はともかく、私はこの男と面識なんて一つもない。
そんな人が私達になんの復讐をするんだ。
「これ以上は何も言えません」
「そんな・・・・・・」
結局これ以上は何も聞けなかった。
「襲撃する人は決まりましたか?」
「咲希を襲撃します」
「それでは咲希さんの教室はこちらです」
私は一人黒田さんの後ろを着いていく。
今までは茜音が殺してくれていた。
だけどその茜音はもういない。
ということは私の手で咲希を殺さないといけないんだ。
咲希の教室へ案内され、ドアを開くとまるで待っていたかのように、咲希は立ち尽くしていた。
「凛香が人狼だったんだ・・・・・・」
「うん・・・・・・」
咲希は襲撃されることを知っていたんだ。
だからもう準備が出来ている。
けれど私の心の準備はまだ出来ていない。
「ほら、早く撃ちな。私はもう覚悟が決まってるからさ」
「どうして・・・・・・」
どうしてみんな簡単に死を受け入れられるの?
人生が終わってしまうんだよ?
私はまだやりたいことも沢山あるし、叶えたい夢だってある。
みんな死ぬのが怖くないの?
私はもうどうにかなりそうだった。
「私は後悔してないよ。だってこれまでの人生でもすごい充実してたからさ」
咲希の笑顔はとても輝いていた。
自分の人生に誇りを持っているんだ。
私も咲希を見習わないといけない。
私はやっと意を決することが出来た。
「咲希、ごめんね・・・・・・」
──バンッ!
死亡者
高平咲希