4番 川田駿太
俺たち人狼が何もしなくても、勝手にやり合ってくれるおかげで、人数が着々と減っている。
「このターンは誰を襲撃するか?」
「私は誰だっていいよ」
さっきの夜のターンから、俺は茜音を見る目が変わった。
今までは物静かな女子としか思っていなかった。
だけど、さっきの現場を見たらその印象も一転するに決まってる。
人を殺す時に笑ってるなんて、サイコパスでしかない。
こいつは本当の二重人格者だと思った。
しかし、このゲームでは茜音の性格をとても役に立つ。
「私は遥希くんだと思う」
「・・・・・・」
「駿太くんどうかした?」
「あ、いやごめん。理由とかは・・・・・・?」
「遥希くんってすごい頭いいじゃん。だから残しておくのは厄介かなって」
「確かに遥希は頭がいいな。でもそれなら他のやつだって・・・・・・」
凛香の言う通り、遥希はとても頭がいい。
それにこういうゲームはとても強い。
だから残しておくと人狼の勝率は確実に下がる。
だけど、俺は遥希を殺したくない。
あいつは俺の大切な親友だから。
「駿太は遥希を殺すのが嫌なみたいだね」
「あいつは俺の親友なんだ・・・・・・」
「でも、駿太と遥希どちらも生き残るのは不可能なんだよ?」
茜音からの正論が飛んでくる。
俺だって分かっていた。人狼と市民の時点でどちらかは絶対に死ぬということは。
「そんなの分かってるさ。でもよ・・・・・・」
「それなら遥希は生かして駿太が死ぬ?」
「それは・・・・・・」
「やっぱり自分が死ぬのは嫌なんでしょ? それなら答えは一つしかない」
茜音には全てを見透かされている気がする。
いつかは殺さなきゃ行けない。
俺は意を決した。
「ゲームマスター、俺たちは遥希を襲撃するよ」
「分かりました。それでは行きましょう」
俺たちは前を進むゲームマスターについて行く。
意を決したはずなのに、俺の手は震えていた。
「誰が殺すかを決めてから中へお入りください。先程は茜音さんがやったので次は茜音さん以外のお二人のどちらかで」
「俺がやるよ・・・・・・」
ほんとは親友を殺したくなんてない。
だけど、俺が撃って急所を外せばゲームから消えるが遥希は生き残れるかもしれない。
小刻みに震える手を抑えながら、遥希のいる教室へ入る。
「あれ、駿太どうした? ってお前、それ・・・・・・」
「俺、人狼なんだ・・・・・・遥希、ごめん・・・・・・」
俺は引き金を引こうとした。
急所を外せば大丈夫・・・・・・
何度も自分に言い聞かせた。
しかし、
「やっぱり、俺はお前を撃つなんて出来ねぇよ・・・・・・」
目の前にいる親友を撃つなんてこと出来るはずがなかった。
どうにかしてこの状況を乗り越えられないのか。
遥希を殺さずにこのターンを終わらせる方法が。
──バンッ!バンッ!
「は、?」
後ろから聞こえた二発の発砲音。
そして地面に倒れる遥希。
何が起こったのか理解出来なかった。
「人狼の襲撃とは殺すことです。あまりにも遅かったので私が殺しました」
遥希を殺したのは黒田だ。
大切な親友を目の前で撃ち殺された。
俺は引き金を引き、黒田に発砲した。
「ふざけんな! ふざけんな! よくも、よくも遥希を殺したな!」
元はと言えばこいつが居なければ、俺たちは誰も死なずに平穏な生活を暮らせていた。
こいつが全て悪いんだ。ここでこいつを殺せば開放される。
急いでみんなに伝えようと思った。
──バンッ!
「っ・・・・・・」
急に俺の視界は真っ暗になる。
微かに聞こえたのは黒田の声。
「私は防弾チョッキを着ているから無意味ですよ。ルール違反者にはもちろん罰を。これがゲームの掟です」
死亡者
川田駿太
西条遥希
砂山凪砂
俺たち人狼が何もしなくても、勝手にやり合ってくれるおかげで、人数が着々と減っている。
「このターンは誰を襲撃するか?」
「私は誰だっていいよ」
さっきの夜のターンから、俺は茜音を見る目が変わった。
今までは物静かな女子としか思っていなかった。
だけど、さっきの現場を見たらその印象も一転するに決まってる。
人を殺す時に笑ってるなんて、サイコパスでしかない。
こいつは本当の二重人格者だと思った。
しかし、このゲームでは茜音の性格をとても役に立つ。
「私は遥希くんだと思う」
「・・・・・・」
「駿太くんどうかした?」
「あ、いやごめん。理由とかは・・・・・・?」
「遥希くんってすごい頭いいじゃん。だから残しておくのは厄介かなって」
「確かに遥希は頭がいいな。でもそれなら他のやつだって・・・・・・」
凛香の言う通り、遥希はとても頭がいい。
それにこういうゲームはとても強い。
だから残しておくと人狼の勝率は確実に下がる。
だけど、俺は遥希を殺したくない。
あいつは俺の大切な親友だから。
「駿太は遥希を殺すのが嫌なみたいだね」
「あいつは俺の親友なんだ・・・・・・」
「でも、駿太と遥希どちらも生き残るのは不可能なんだよ?」
茜音からの正論が飛んでくる。
俺だって分かっていた。人狼と市民の時点でどちらかは絶対に死ぬということは。
「そんなの分かってるさ。でもよ・・・・・・」
「それなら遥希は生かして駿太が死ぬ?」
「それは・・・・・・」
「やっぱり自分が死ぬのは嫌なんでしょ? それなら答えは一つしかない」
茜音には全てを見透かされている気がする。
いつかは殺さなきゃ行けない。
俺は意を決した。
「ゲームマスター、俺たちは遥希を襲撃するよ」
「分かりました。それでは行きましょう」
俺たちは前を進むゲームマスターについて行く。
意を決したはずなのに、俺の手は震えていた。
「誰が殺すかを決めてから中へお入りください。先程は茜音さんがやったので次は茜音さん以外のお二人のどちらかで」
「俺がやるよ・・・・・・」
ほんとは親友を殺したくなんてない。
だけど、俺が撃って急所を外せばゲームから消えるが遥希は生き残れるかもしれない。
小刻みに震える手を抑えながら、遥希のいる教室へ入る。
「あれ、駿太どうした? ってお前、それ・・・・・・」
「俺、人狼なんだ・・・・・・遥希、ごめん・・・・・・」
俺は引き金を引こうとした。
急所を外せば大丈夫・・・・・・
何度も自分に言い聞かせた。
しかし、
「やっぱり、俺はお前を撃つなんて出来ねぇよ・・・・・・」
目の前にいる親友を撃つなんてこと出来るはずがなかった。
どうにかしてこの状況を乗り越えられないのか。
遥希を殺さずにこのターンを終わらせる方法が。
──バンッ!バンッ!
「は、?」
後ろから聞こえた二発の発砲音。
そして地面に倒れる遥希。
何が起こったのか理解出来なかった。
「人狼の襲撃とは殺すことです。あまりにも遅かったので私が殺しました」
遥希を殺したのは黒田だ。
大切な親友を目の前で撃ち殺された。
俺は引き金を引き、黒田に発砲した。
「ふざけんな! ふざけんな! よくも、よくも遥希を殺したな!」
元はと言えばこいつが居なければ、俺たちは誰も死なずに平穏な生活を暮らせていた。
こいつが全て悪いんだ。ここでこいつを殺せば開放される。
急いでみんなに伝えようと思った。
──バンッ!
「っ・・・・・・」
急に俺の視界は真っ暗になる。
微かに聞こえたのは黒田の声。
「私は防弾チョッキを着ているから無意味ですよ。ルール違反者にはもちろん罰を。これがゲームの掟です」
死亡者
川田駿太
西条遥希
砂山凪砂