全K島民に注意喚起す
当町において、昨今怪しき宗教伝播したると報告あり。
宗務掛が調べたるところ、C教を騙った奇怪な邪教なり。
宣教師を名乗る人物が、光順寺廃寺に住み着いている。
儀式と称し、毒虫を信者の手足に押し付けることがあると伝え聞く。
さらには、生きたままこれを咀嚼させるとも聞く。口の中はそこかしこが柘榴のごとくただれ、数日は飯を食えぬ状態になる。
極めて危険かつ、気味悪き行為なり。

宣教師を名乗る男に戸外で合おうとも、決して耳を貸すべからず。
繰り返す。宣教師を名乗る男に決して耳を貸すべからず。
特に、善悪の判断つかぬ子どもは、決して光順寺に近づけるべからず。

明治二十四年(1891) K島町役場宗務掛