『Ｋ島にゅ〜〜す』５２号 新鮮ローカルネタをお届け！
連載 「島民の古民家探訪！」　
第５回：レトロな書斎でコーヒーと郷土史を（渡辺道雄さん宅）

Ｋ島の古民家を巡り、''ご自慢''のポイントを語ってもらう人気シリーズ、「島民のご自宅探訪！」。
今月は遠峰町の渡辺道雄さん（６５）宅です。

かつて「遠峰銀座」としてにぎわった島並通りを抜けると、築６０年を超える立派な平屋建てが出迎えてくれます。お庭には石橋がかかった池まであり、圧巻の日本家屋と言えます。さっそくお邪魔しちゃいましょう！



「夫が書斎に籠もって出てこないんです」

出迎えてくれたのは、妻の渡辺喜代（６１）さん。道雄さんは''ご自慢''の書斎で一日の多くを過ごされているそうです。一体どんな書斎なのでしょうか？　

２階の書斎にお邪魔すると、目に飛び込んできたのは、本・本・本……。壁一面の本棚に、ぎっしりと本が詰まっています。

「壁にぴったりの本棚がなかったので、奮発して特注しました。材はこだわりのオークです」

うっとりと本棚を眺める道雄さん。温かい日差しが差し込む素敵なお部屋には、静かな時間が流れています。

「最近は郷土史の史料を読み耽っています」

遠峰の高校で日本史教師をしていた道雄さんは、定年後、地元の歴史書を紐解くことを趣味にしているそう。道雄さんは１２月に、公民館でK島の歴史を講義するため、準備を進めています。机のうえに１枚の写真がありました。雑木林のような場所に、親族と思われる２０人ほどの老若男女が写っています。

「こちらは渡辺さんのご先祖の方ですか？」

訊ねると、道雄さんは首を横に振りました。古本屋で手に入れた『遠峰村史』に挟まれていたもので、詳しいことは判っていないそうです。

「裏側には『北山杉　植樹記念　屋敷ニテ』と書かれています。この家族の所有する家だとすると、かなり裕福な一族だったと考えられますね」

道雄さんによると、K島の有力者のものらしいことは間違いなく、いまはこの写真について調べるのが楽しみとのこと。「写真の詳細が分かれば、Ｋ島の郷土史に新たな１ページが刻まれるかもしれない」と語ります。
（山口健介）

講演会情報
「明治維新とＫ島の発展」
講師　渡辺道雄氏
郷土史家（元・遠峰高校日本史教諭）
日時　２０２４年１２月４日１５時より
場所　遠峰文化会館　
申し込み受付先
K島町教育委員会　生涯学習課　〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇〇