最後の追放会議が始まった。いなくなった七人の席には、倒された立て札だけが残っている。
松本さんがスピーカーを見上げる。
「ゲームマスターって言うんだっけ? もう話し会うことないから、さっさと投票させてよ」
スピーカーから雑音が漏れる。
『了解しました。チャイムが鳴り終わると同時に、最後の投票を行ってください』
チャイムが鳴り始めた。
松本さんはチャイムが鳴り終わる前に、指先を山本くんに向けていた。
最初に口を開いたのは山本くんだった。
「悪いな。これで終わりだ」
山本くんが厳かに右手を上げる。私もそれにならい、最後の投票をした。
「ごめんね」
迷いなく上げられていた松本さんの指先が、小刻みに震え出した。驚きに目が見開かれていく。
「え……? なんで?」
ゲームマスターのアナウンスが教室に流れる。
『おめでとうございます。村人が追放されましたので、人狼チームの勝利です。生き残った人狼チームのお二人は、本日をもってゲームアプリ「パラレル人狼ゲーム」を卒業することになりました。お疲れさまでした』
松本さんは瞬きもせずに、自分に向けられた私たちの指先を見詰めていた。
松本さんがスピーカーを見上げる。
「ゲームマスターって言うんだっけ? もう話し会うことないから、さっさと投票させてよ」
スピーカーから雑音が漏れる。
『了解しました。チャイムが鳴り終わると同時に、最後の投票を行ってください』
チャイムが鳴り始めた。
松本さんはチャイムが鳴り終わる前に、指先を山本くんに向けていた。
最初に口を開いたのは山本くんだった。
「悪いな。これで終わりだ」
山本くんが厳かに右手を上げる。私もそれにならい、最後の投票をした。
「ごめんね」
迷いなく上げられていた松本さんの指先が、小刻みに震え出した。驚きに目が見開かれていく。
「え……? なんで?」
ゲームマスターのアナウンスが教室に流れる。
『おめでとうございます。村人が追放されましたので、人狼チームの勝利です。生き残った人狼チームのお二人は、本日をもってゲームアプリ「パラレル人狼ゲーム」を卒業することになりました。お疲れさまでした』
松本さんは瞬きもせずに、自分に向けられた私たちの指先を見詰めていた。