君の匂いを知っている



「委員長っ、なにして……!」

「佐藤こそ、何してるの? 俺の恋人なんだからもう少し丁重に扱ってくれない?」

 昴はにこやかに笑ったが、その瞳の奥には静かな怒りと闇を感じられた。乱暴に扱うな、という圧で簡単に手を引っ込ませる事に成功した。数秒経ってもそこにいる、昴以外の全員は硬直していた。みんな揃ってぽかんと間抜けな顔をしている。

「それで、梛は同棲する事になったから……ご理解ご協力お願い致します」

 有無を言わせないその勢いに、三人は納得せざるを得なかった。