リア「はぁ…はぁ…」
海の水が、体温をどんどん吸い取っていく。
いつの間にか、村からだいぶ離れた位置まで流されていた。
周りに、他の島や集落はほとんどない。
こんな状況で、誰が助けに来てくれるんだろう…
絶望の最中、私はついに意識を失った。

ー数分後ー

???「…ア、リア!!」 
リア「…う…?」
聞き覚えのある声が、私の名前を叫んでいる。 
…声の正体は、カイトだった。
カイト「リア…!!」
リア「カイ…ト…?」
カイト「良かった…もう目覚めないかと思った…」
リア「…カイト…泣いてる?」
カイト「当たり前だろ…!!どれだけ心配したと思ってんだ…!!」
ウララ「…あーあ、起きちゃった。」
カイト「ウララ…改めて言うが、仮にも村長様の子供を殺しかけたんだ。謝って済むと思うなよ。」
ウララ「……」
カイト「このことは、村長様やリアの母さん、他の村人達にも言うからな。」
リア「…カイト、父さんと母さんに言うのは良いけど、他の人達にまで言わなくても…」
カイト「何言ってんだ。村長様の子供が死にかけたんだから、大事にして当然だ。」
リア「そっか…」
ウララ「…カイトくんは、リアが好きなの?」
リア「え?」
カイト「…何でだ」
ウララ「…どうせ村にいられなくなるなら、カイトくんの気持ちだけでも知っておきたくて…」
カイト「…リアを殺しかけた奴になんか教えない」
ウララ「そう…」