ー6年後ー

リア「カイトッ!おはよう!」
カイト「おはよ」
この6年間で、私とカイトの仲はだいぶ深まった、と思う。
そして、海の煌めきも、あれから変わらない。私達が初めて会った時のままだ。
ただ…
ウララ「カイトく〜ん♡」
この子は、2年前に引っ越してきた友達・ウララ。
ウララは、この2年間ずっとカイトにべったりで、私とはあまり話さない。
2人が仲良くしてるのを見ると、なぜか胸が苦しくなる。
リア(はぁ…)
カイト「ウララ、くっつき過ぎ。少し離れろ。」
ウララ「えー?いいでしょ?」
カイト「無理。」
ウララ「そっかぁ…ねぇ、リア。ちょっと来てくれる?」
リア「え…いいけど…?」
そう言ってウララは、人気の無い裏の浜辺に私を連れて行った。
リア「それで…何?」
ウララは、鋭い目つきで私を見てる。
ウララ「単刀直入に言うわ。…あんた、邪魔!!」
リア「えっ…?」
予想外の言葉に、私は言葉を失った。
ウララ「分からない?あんたがいるせいであたしはカイトくんに近づけないのよ!」
リア「私のせい…?」
ウララ「そうよ!」
リア「……」
ウララ「2年間ずっと我慢してたけど、もう限界!!あんたなんか、いなくなればいいわ!」
リア「そんな…」
その時。
ドンッ
リア「えっ」
バッシャーン
ウララが、私を海に突き飛ばした。
ウララ「フッ。あんた、産まれたときからこの村にいるんでしょ?あたしのおかげでこの村の海と一つになれるんだから、感謝しなさいよ。」
ウララが、今まで見たことないような意地悪そうな笑みを浮かべてる。
海の水と同じくらい、冷たい笑顔を…
リア「ウララっ…助けてっ…」
ウララ「突き飛ばした張本人に助けてもらおうとしてるの?バッカみたい。」
クスクス
リア「っ…」
ウララ「じゃあね〜♡あたしはカイトくんと幸せになるから♡」
リア「ウララっ…!」

ー一方でー

ウララ「カイトくん♡おまたせ!」
カイト「…リアは?」
ウララ「リアなら、あたしとカイトくんの邪魔をしたくないって言って、自ら海に飛び込んで行ったわ。」
カイト「…はぁ!?なんで止めないんだ!?」
ウララ「だって、リアが自分で言ったんだもの。」
カイト「…行ってくる。」
ウララ「え?」