今まで水李は、『嫌われ神様』とバカにされ続けていた。
なのに、バカにされた相手のために力を使うのか。
(なんで、そんなことが思えるんだろう?)
「なぁ、もし俺が力を使わないでくれと言っても使うか?」
「使いますよ。私は神様なんで」
水李が当然と言った顔で言い放つ。
「そうか・・・」
水李は誰にも望まれなくても、自分の力を使って雨を降らすんだ。
「じゃあ、契約成立でいいですか?」
「ああ、これからよろしく」
「よろしくお願いします」
水李はニコッと微笑む。
その笑みは、さっきのニヤッとした顔ではなく心からの笑顔だった。