後ろから高い声が聞こえ、バッと振り向くとそこには銀髪の少女が立っていた。
よく見ると銀髪の少女の顔は整っていた。
鼻がシュッとなっていて、目もデカすぎず小さすぎず、ピンク色の唇は小さかった。
「あなたは?」
「えっと、水神です」
少女は困ったように笑い、座り込んでいた俺を立ち上がらせてくれる。
「俺は、宮代依(みやしろ より)と言います」
「私は、水李(みり)と言います」
水神様は、自分の名前を懐かしむように口にする。
「あの、俺ってこの後どうなりますか?」
できれば、このまま一緒に連れて言ってくれた方が楽だ。
家に帰っても、すぐにまたここに連れ戻されるだけ。
「じゃあ、私についてきますか?」
「よろしくお願いします」
水神様は、ニコッと笑い山奥へ進んでいく。
「あっ、私のことを水李と呼んでください。敬語も抜いて」
まさかの要求に口をポカンと開けてしまう。
「じゃあ、水李。俺のことも依と呼んで」