「水李、こっち向いて」
俺がニコッと笑いながら言うと、恐る恐るという感じでこちらに顔を向ける水李。
「隙あり」
そう呟いて、水李の唇に触れる。
一瞬だけ触れて水李の顔を見ると、トマトみたいに真っ赤になっていた。
「ッ」
そんな水李の物凄く可愛くて思わず頭を撫でてしまう。
「ね、俺のこと名前で呼んでよ」
「えッ、なんで・・・」
「言わなきゃ、その口塞いじゃうよ？」
そういうと、アタフタしながらも俺のことを見つめる水李。
ああ、可愛い。
本当に、なんでこんな可愛くて優しい神様が嫌われているのだろうと疑問の思う。
水李が口を開いて、俺の名前を呼ぶ。
『依さん』
そのことが嬉しくてもう一度キスをしてしまう。
その時の水李の顔はものすごく綺麗な笑顔で、出会ったときのように『ずっと傍にいるから』と思わせたのだった。