ふいに、ある考えが頭に浮かんだ。
「流石に衣食住はさせてもらえるよな?」
水神様が住んでいるのは、山奥だ。
だからもし、食べさせてもらえなかったらどうすればいいのだろう。
しかも、この村は神を毛嫌いしているせいか神様に誠意というものがない。
だから、他の村からは『嫌われ神様』と呼ばれていた。
その言葉も神様なら聞いているはずだ。
もしかしたら、ほったらかしにされて放置される可能性が十分にある。
「ああ、本当に死ぬ未来しか見えない」
だからと言って眠らないわけにいかなく、布団に入り瞼を閉じる。

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「じゃあな、これで邪魔者がいなくなった」
父さんは、それだけ言い残して山を下りていく。
(ああ、これで神様が俺を迎えに来なきゃ確実に死ぬな)
生きることをあきらめて、曇った空を見上げる。
「あの、君が花婿ですか?」