嫌われ神様の生贄。

その様子から物凄く心配なのだろう。
俺も伊津夏を追って水李の部屋に入る。
部屋に入ると水李が目を覚めていた。
「起きたか」
「ありがとうございます」
水李は申し訳なさそうに笑い、ベットから降りる。
「まだ寝てろよ」
「そんな暇はありません。ずっと雨を降らすことができなかったです」
「どういうことだ?」
雨を降らすことができなかったって、意味が分からない。
そう思って言葉にすると、失言してしまったという顔をする水李。
「話してくれるか?」
「ただ、体調が悪くてずっと寝込んでいたんです」
だからもう梅雨の季節だというのに、雨が全く降らなかったわけだ。
「でも、今はもう元気なんですよ?」
「そう言いながら、倒れてるけど」
真っ青な顔で笑われても、説得力が全くないんだが。