水李の家に住むことになって一週間ほど経つが、一向に水李が部屋から出てこない。
家というか屋敷？を探検してみると台所に水李からのメモが置いてあった。
『夕飯などは伊津夏（いつか）が用意します。何かあったら伊津夏に申してください』
と書かれていた。
（初めから、俺に頼る気がないってことか？）
これじゃ、五分五分な関係じゃないと思う。
彼女の弱音を聞いて初めて五分五分な関係になるだと思うだが、
水李は俺に弱音なんか言ってく来ない。
それどころか、一週間全く会話らしいことをしていない。
「伊津夏、俺って嫌われてるのか？」
伊津夏は、水李の世話役でほとんど無表情だ。
でも、誰よりも水李のことが大好きで大切に思っている奴。