優は、興奮と心配が入り混じったような顔で、胸の内をポロリとこぼした。そんな優に浩志はいつになく真面目に相槌を打つ。
「そうだな。せつな……あいつ、頑張ってるもんな。蒼井には、あいつの事なんて見えないのに……。それでも、頑張ってるんだ。せっかくパーティーするんだから、せつなにも、楽しんで貰いたいよな」
浩志の言葉に、優は、大きく肯いた。
「それで、大体のスケジュールは、もう決まったのか?」
浩志とせつなは裏方に徹し、パーティーの仕切りは、優を中心に、彼女の所属する部に完全に任せているので、浩志は、どのような感じになるのか、全く知らなかった。
「うん。それは大体ね。体育館を借りられたのは良かったよね。結構な人数、入れられるし。教室でやるよりも盛り上がるわ」
「しかし、よく借りられたよな。4月1日って、確か日曜だろ? 運動部とか使いそうじゃん」
「もともと、うちの部が使う予定入れてただけで、他の部の予定はなかったのよ」
「ふ〜ん。それで? 会場も決まったし、スケジュールも決まったんだろ? 後は、何が問題なんだよ?」
「うん……あのさ、せつなさんのことなんだけどね」
浩志が不思議そうに問うと、優は眉尻を少し下げた。
「学校でパーティー出来る事になって、喜んでくれたけど、本当は、パーティーをする事が目的じゃなくて、せつなさんは、蒼井ちゃんにお祝いが言いたいんじゃないのかな?」
優の真剣な声に、浩志は腕組みをしながら唸る。
「う〜ん。まぁ、本心はそうかもな。でも、事情を知ったこいちゃんにも、せつなの姿は見えなかったんだから、蒼井も難しいんじゃないかって言う話だっただろ」
諭すような浩志の言葉に、優は、小さく肯いたが、その顔は、不満そうだった。
「そうなんだよね。やっぱり見えないってなったら、せっかくの楽しい気分が台無しになっちゃうし、せつなさんにとって、危ない橋は渡らない方が良いとは思うんだけど……でも……」
優は、悔しそうに唇を噛む。それから、意を決したように、口を開いた。
「あのね。当日、スケジュールの中で、『生徒から先生へ一言』っていう、時間があるの」
「なんだそれ?」
「う〜ん。なんでもいいのよ。多分、みんな、結婚おめでとうとか、そんな当たり障りのない感じになると思うけど」
「うん?」
「その時、今作ってる造花を一本ずつ、蒼井ちゃんへ渡して貰おうと思ってるの」
「そうだな。せつな……あいつ、頑張ってるもんな。蒼井には、あいつの事なんて見えないのに……。それでも、頑張ってるんだ。せっかくパーティーするんだから、せつなにも、楽しんで貰いたいよな」
浩志の言葉に、優は、大きく肯いた。
「それで、大体のスケジュールは、もう決まったのか?」
浩志とせつなは裏方に徹し、パーティーの仕切りは、優を中心に、彼女の所属する部に完全に任せているので、浩志は、どのような感じになるのか、全く知らなかった。
「うん。それは大体ね。体育館を借りられたのは良かったよね。結構な人数、入れられるし。教室でやるよりも盛り上がるわ」
「しかし、よく借りられたよな。4月1日って、確か日曜だろ? 運動部とか使いそうじゃん」
「もともと、うちの部が使う予定入れてただけで、他の部の予定はなかったのよ」
「ふ〜ん。それで? 会場も決まったし、スケジュールも決まったんだろ? 後は、何が問題なんだよ?」
「うん……あのさ、せつなさんのことなんだけどね」
浩志が不思議そうに問うと、優は眉尻を少し下げた。
「学校でパーティー出来る事になって、喜んでくれたけど、本当は、パーティーをする事が目的じゃなくて、せつなさんは、蒼井ちゃんにお祝いが言いたいんじゃないのかな?」
優の真剣な声に、浩志は腕組みをしながら唸る。
「う〜ん。まぁ、本心はそうかもな。でも、事情を知ったこいちゃんにも、せつなの姿は見えなかったんだから、蒼井も難しいんじゃないかって言う話だっただろ」
諭すような浩志の言葉に、優は、小さく肯いたが、その顔は、不満そうだった。
「そうなんだよね。やっぱり見えないってなったら、せっかくの楽しい気分が台無しになっちゃうし、せつなさんにとって、危ない橋は渡らない方が良いとは思うんだけど……でも……」
優は、悔しそうに唇を噛む。それから、意を決したように、口を開いた。
「あのね。当日、スケジュールの中で、『生徒から先生へ一言』っていう、時間があるの」
「なんだそれ?」
「う〜ん。なんでもいいのよ。多分、みんな、結婚おめでとうとか、そんな当たり障りのない感じになると思うけど」
「うん?」
「その時、今作ってる造花を一本ずつ、蒼井ちゃんへ渡して貰おうと思ってるの」