「大体ね。体育館を借りられたのは良かったよね。結構な人数、入れられるし。教室でやるよりも盛り上がるわ」
「しかし、よく借りられたよな。四月一日って、確か日曜だろ? 運動部とか使いそうじゃん」
「もともと、うちの部が使う予定を入れてただけで、他の部の予定はなかったのよ」
「ふ〜ん。それで? 会場も決まったし、スケジュールも決まったんだろ? 後は、何が問題なんだよ?」
「うん。……あのさ、せつなさんのことなんだけどね」
浩志が不思議そうに問うと、優は眉尻を少し下げた。
「学校でパーティーが出来る事になって喜んでくれたけど、本当は、パーティーをする事が目的じゃなくて、せつなさんは蒼井ちゃんにお祝いが言いたいんじゃないのかな?」
優の真剣な声に、浩志は腕組みをしながら唸る。
「う〜ん。まぁ、本心はそうかもな。でも、事情を知ったこいちゃんにも、せつなの姿は見えなかったんだから、蒼井も難しいんじゃないかって話だっただろ」
諭すような浩志の言葉に、優は小さく肯いたが、その顔は不満そうだった。
「そうなんだよね。やっぱり見えないってなったら、せっかくの楽しい気分が台無しになっちゃうし。せつなさんにとっては、危ない橋は渡らない方が良いとは思うんだけど……でも……」
優は悔しそうに唇を噛む。それから、意を決したように口を開いた。
「あのね。スケジュールの中で、『生徒から先生へ一言』っていう時間があるの」
「なんだそれ?」
「う〜ん。なんでもいいのよ。多分、みんな、結婚おめでとうとか、そんな当たり障りのない感じになると思うけど」
「うん?」
「その時、今作ってる造花を一本ずつ、蒼井ちゃんへ渡して貰おうと思ってるの」
「お! いいじゃん。いいじゃん。 せつながしようとしてたことだろ、それ」
「そう。今、作ってる造花を、机とか壁とかに飾りとして使って、一言タイムになったら、それぞれが好きな花を取って、蒼井ちゃんに渡してもらおうかなって考えてるの。で、最後は、それをまとめて花束にしたらどうかなって」
「お~、いいじゃん。正直、あんなに大量に作ってどうするんだって思ってたからさ~。ちゃんと使い道があって良かったわ」
冗談なのか本気なのか、浩志はそんなことを冗談めかして言う。それでも、どこか嬉しそうなのは、本当に自身の労力が無駄になりはしないかと、胸の内では心配していたのかもしれない。造花の行方を知りホッとしたのか、浩志は満足そうに言葉を繋いだ。
「しかし、よく借りられたよな。四月一日って、確か日曜だろ? 運動部とか使いそうじゃん」
「もともと、うちの部が使う予定を入れてただけで、他の部の予定はなかったのよ」
「ふ〜ん。それで? 会場も決まったし、スケジュールも決まったんだろ? 後は、何が問題なんだよ?」
「うん。……あのさ、せつなさんのことなんだけどね」
浩志が不思議そうに問うと、優は眉尻を少し下げた。
「学校でパーティーが出来る事になって喜んでくれたけど、本当は、パーティーをする事が目的じゃなくて、せつなさんは蒼井ちゃんにお祝いが言いたいんじゃないのかな?」
優の真剣な声に、浩志は腕組みをしながら唸る。
「う〜ん。まぁ、本心はそうかもな。でも、事情を知ったこいちゃんにも、せつなの姿は見えなかったんだから、蒼井も難しいんじゃないかって話だっただろ」
諭すような浩志の言葉に、優は小さく肯いたが、その顔は不満そうだった。
「そうなんだよね。やっぱり見えないってなったら、せっかくの楽しい気分が台無しになっちゃうし。せつなさんにとっては、危ない橋は渡らない方が良いとは思うんだけど……でも……」
優は悔しそうに唇を噛む。それから、意を決したように口を開いた。
「あのね。スケジュールの中で、『生徒から先生へ一言』っていう時間があるの」
「なんだそれ?」
「う〜ん。なんでもいいのよ。多分、みんな、結婚おめでとうとか、そんな当たり障りのない感じになると思うけど」
「うん?」
「その時、今作ってる造花を一本ずつ、蒼井ちゃんへ渡して貰おうと思ってるの」
「お! いいじゃん。いいじゃん。 せつながしようとしてたことだろ、それ」
「そう。今、作ってる造花を、机とか壁とかに飾りとして使って、一言タイムになったら、それぞれが好きな花を取って、蒼井ちゃんに渡してもらおうかなって考えてるの。で、最後は、それをまとめて花束にしたらどうかなって」
「お~、いいじゃん。正直、あんなに大量に作ってどうするんだって思ってたからさ~。ちゃんと使い道があって良かったわ」
冗談なのか本気なのか、浩志はそんなことを冗談めかして言う。それでも、どこか嬉しそうなのは、本当に自身の労力が無駄になりはしないかと、胸の内では心配していたのかもしれない。造花の行方を知りホッとしたのか、浩志は満足そうに言葉を繋いだ。



