せつなの言葉に、優は少女の頭をひと撫ですると、優しく微笑んだ。しかし、その表情とは裏腹に、凛とした声をせつなに向ける。
「私たちは、せつなさんの存在に気がついて、そして、友達になった。友達の願いだもの。私たちにできることなら、何だって全力で協力する。だけどね、せつなさん。これは、あなたの願いなの。だったら、あなたは、私たち以上に、全力で、事に当たらなくちゃ」
「え? それって、どういう……?」
突然の優の厳しい物言いに、不安そうに顔を曇らせるせつな。そんな少女に優は、ニカリと笑いかける。
「まずは、このお花を、もっとたくさん作って! 会場を、せつなさんのいっぱいの想いで包み込むみたいに、このお花で埋め尽くそう」
「優ちゃん……」
「あとは? 何がしたい? 素敵なパーティーになるように、私たちももちろん考えるけれど、せつなさんは、それ以上に、蒼井ちゃんにしてあげたいことをたくさん考えて。私たちは、それが実現できるように、サポートするから」
自身で考えろと、せつなを鼓舞しているくせに、己自身で、話をテキパキと進める優に苦笑しつつ、浩志が、せつなに声をかける。
「そうだぞ。せつな。この際だから、やりたいこと、蒼井に伝えたいことをいっぱい考えろ。で、考えたことは、無理でもなんでも、遠慮しないでどんどん言えよ。できることは、何でもやってやる! できないことは……、まぁ、その時考えよう」
浩志の言葉に、大きく頷いたせつなは、それから、黙々と手を動かし始めた。その顔は、真剣そのものだ。それを見た優は、愛おしそうに口元を綻ばせてから、浩志の方へと向き直ると、いつもの口調で、彼をこき使う。
「成瀬は、今日のノルマ終わったんでしょ? 暇してるなら、小石川先生のところに行ってきてよ?」
「なんでだよ?」
「たぶん、学校の施設を利用するには、何かの手続きをしないといけないはずよ。どうやって動けばいいか、先生に確認してきて。それから、近日中に借りられる場所はどこになるのかも。場所によって、やれることも変わってくると思うから」
「お前がいけばいいじゃねぇか」
優の指示に、浩志が不服そうに言葉を返すと、彼女は呆れたようにそれを撥ね返す。
「もう、バカね。私は、この花を仕上げつつ、部員への交渉と了承を取り付けるので、忙しいのよ。成瀬にはできないでしょ?」
「へいへい。わかったよ」
浩志は肩をすくめると、席を立ち、教室を後にした。
「私たちは、せつなさんの存在に気がついて、そして、友達になった。友達の願いだもの。私たちにできることなら、何だって全力で協力する。だけどね、せつなさん。これは、あなたの願いなの。だったら、あなたは、私たち以上に、全力で、事に当たらなくちゃ」
「え? それって、どういう……?」
突然の優の厳しい物言いに、不安そうに顔を曇らせるせつな。そんな少女に優は、ニカリと笑いかける。
「まずは、このお花を、もっとたくさん作って! 会場を、せつなさんのいっぱいの想いで包み込むみたいに、このお花で埋め尽くそう」
「優ちゃん……」
「あとは? 何がしたい? 素敵なパーティーになるように、私たちももちろん考えるけれど、せつなさんは、それ以上に、蒼井ちゃんにしてあげたいことをたくさん考えて。私たちは、それが実現できるように、サポートするから」
自身で考えろと、せつなを鼓舞しているくせに、己自身で、話をテキパキと進める優に苦笑しつつ、浩志が、せつなに声をかける。
「そうだぞ。せつな。この際だから、やりたいこと、蒼井に伝えたいことをいっぱい考えろ。で、考えたことは、無理でもなんでも、遠慮しないでどんどん言えよ。できることは、何でもやってやる! できないことは……、まぁ、その時考えよう」
浩志の言葉に、大きく頷いたせつなは、それから、黙々と手を動かし始めた。その顔は、真剣そのものだ。それを見た優は、愛おしそうに口元を綻ばせてから、浩志の方へと向き直ると、いつもの口調で、彼をこき使う。
「成瀬は、今日のノルマ終わったんでしょ? 暇してるなら、小石川先生のところに行ってきてよ?」
「なんでだよ?」
「たぶん、学校の施設を利用するには、何かの手続きをしないといけないはずよ。どうやって動けばいいか、先生に確認してきて。それから、近日中に借りられる場所はどこになるのかも。場所によって、やれることも変わってくると思うから」
「お前がいけばいいじゃねぇか」
優の指示に、浩志が不服そうに言葉を返すと、彼女は呆れたようにそれを撥ね返す。
「もう、バカね。私は、この花を仕上げつつ、部員への交渉と了承を取り付けるので、忙しいのよ。成瀬にはできないでしょ?」
「へいへい。わかったよ」
浩志は肩をすくめると、席を立ち、教室を後にした。