「そうね! せつなさんに会いに行きましょう!」
「その前に、花屋に寄ろう」
「花屋?」
「だって、スターチスがまだ咲いていないかもしれないだろ?」

 茶目っ気たっぷりにそう言った浩志に、優は勢いよく頷いた。すぐに椅子から立ちあがり帰り支度を始める。浩志は伝票を手に、一足先にレジカウンターへと向かった。

 二人揃って店を出る。彼らは懐かしい友人と再び同じ時を過ごせる喜びに胸を躍らせながら、手を繋いでゆっくりと歩き出した。風に吹かれた桜の花びらがサラサラと彼らの進む方へ先を競うように流されていく。その軽やかな音に交じって、可愛らしい声が聞こえた気がした。

『……ねぇ、覚えてる? もうすぐ会えるよ』






**************************************
本編、完結しました☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
次ページより、『ラッキースポットで合言葉を〜スターチスを届けて 番外編〜』です。
続けてお楽しみください。