お立ち寄りいただきありがとうございます。まさかこんな作品のページを開く人がいるなど思ってもみませんでした。物好きな方ですね。タイトルも表紙も真っ白で、作品の中身がどんなものなのか見て分かる重要な情報がほとんどないのに。ああ、もしかして、だからこそですか。欲しい情報がないからこそ、これは一体どんなものなのかと気になるのですね。それならば、最初に申し上げておきますが、ここから何か期待したようなものは得られないと思います。まあ、この文をちゃんと読んでいる人など少ないと思いますが。ページを開いた瞬間から目に入るこの文字の羅列を見て、さあ、読むぞ、という気になる人は極僅かでしょう。一人二人、いるかいないかだと思います。もしかしたら誰一人いないかもしれません。それはそれでいいのです。これは私の独り言ですから。ええ、独り言なのです。読んで得をするようなことは何一つございません。時間の無駄だったと思うことでしょう。中身のない文章がこのまま最後まで続くだけです。冷静になって考えてみてください。ほら、深呼吸をして、冷静に。あなたは今、この文を目で追っています。恐らくですが、大体はスマホで、あるいはパソコンで。いずれにせよ、何かしらの器具で読んでいることと思います。どうですか。今の気持ちは。つまらないでしょう。退屈でしょう。もう疲れてしまったでしょう。文字に酔ってはいませんか。気持ち悪さを感じたら、いえ、気持ち悪さを感じなくても、今すぐ閉じるべきです。何も面白いことはないのですから。やっぱりつまらなかったと溜息を吐かれても困ります。責任は取れません。忠告はしましたから。閉じた方がいいですよ。言いました。私は確実にあなたにお伝えしました。閉じた方がいいですよ。時間の無駄になるだけです。それでも文字を追うというのなら、後は自己責任でお願いします。文句を言われても、私は一切の責任を負いません。閉じた方がいいことは、はっきりとお伝えしました。どんな気持ちになろうと、何があろうと、私は一切の責任を負いません。私は一切の責任を負いません。私は一切の責任を負いません。そろそろ閉じた方がいいのでは。いくら読んでも、何も面白いことはないですよ。私は面白いことなど何一つ言えない人間です。他人の興味を惹かせるようなことなど全くできない人間なのです。ただのどこにでもいる、何の取り柄もない普通の人間ですから。凡人ですから。あなたのようにはなれません。私の独り言に未だ付き合っている好奇心旺盛なあなたがどんな人なのかは知る由もないですが。あなたは一体どんな人ですか。名前は。性別は。年齢は。性格は。学年は。職業は。趣味は。特技は。などなど。何も知りません。お互い様ですね。あなたも私のことなど何も知らないはずです。知らない人のことはどうでもいいはずです。例え私が死んだとしても、悲しむことなどないでしょう。私もあなたが死んだとて、悲しまないと思います。そんなものです。自分と関わりがない人がある日突然死んでしまっても、心に波風は立たないでしょう。それが普通です。知らない人の死にまで涙を流すような人は偽善者です。知らない人が死んで悲しくて涙を流している自分は人を愛する素晴らしい人間だと思いたいだけなのでは、と邪推してしまいます。結局人の死を利用して自分をよく見せようとしているだけなのでは、とも思うことがあります。みんな自分が可愛いのです。それは何も悪いことではないでしょう。寧ろ人間らしいです。私はそう思います。心からそう思うのです。私はこのような思考を持つ暗い人間なのです。決して性格が良いわけではございません。どちらかと言えば悪い方でしょう。誰かの悪口を平気で言いますし、誰かの不幸を喜ぶこともありますし、誰かを残酷に殺すことだってありますから。ああ、誤解しないでください。心配しないでください。怖がらないでください。殺すことについては実際にそうしたわけではないですよ。頭の中でのことです。現実で殺人を犯せるほどの行動力や度胸は残念ながら、いえ、残念なことではないですね。一線を越える勇気がないからこそ、私は罪を犯さないでいられているのですから。大事なストッパーです。まだ私にも理性があるようです。いつかその理性が壊れてしまうかもしれませんが。壊れたら、私は人を殺してしまいますね、きっと。私はそういう人間です。綺麗な心は持っておりません。期待しないでください。ああ、最初から期待などしてませんか。ですよね。知ってます。私は期待されるような人間ではありませんから。人望などこれっぽっちもありませんから。私は何もできない人間なのです。ああ、一体私は何ができるというのでしょうか。私という人間はあまりにも普通すぎて、あまりにも退屈です。あなたもそう思いませんか。私に何か特別なものを感じることなどないでしょう。私は普通の人間です。ところで、まだ閉じないんですね。ここから退出しないんですね。頭の中であっても、人を殺すような暗い人間の独言をいつまでも読んでいたら、気分が悪くなりませんか。このペースでずっと続くのですよ。明るい話はないと断言しておきます。読めば読むほど鬱々とするだけです。まだ間に合います。この時点で気持ち悪さを覚えたなら、これ以上は控えるべきです。もう一度言います。この時点で気持ち悪いと思ったなら、これ以上は控えるべきです。閉じてください。このまま読んで気分を害されても、私は一切の責任を負いません。閉じてください。閉じてください。閉じてください。私は一切の責任を負いません。私は一切の責任を負いません。私は一切の責任を負いません。吐き気を催しても知りません。私は一切の責任を負いません。気が狂っても知りません。私は一切の責任を負いません。私は一切の責任を負いません。私は一切の責任を負いません。どうでしょう。読んでいますか。この文を、あなたは読んでいますか。読んでいるのですね。ここまで言ってまだ読んでいるということは、私の独り言に大変興味があるということですね。私の思考や私の言葉に、興味があるということですね。ついてきてくださるのですか。読んでくださるのですか。物語性も何もない、意味不明で理解不能な独り言を。醜い思考で埋まった脳内を、それを下手な言葉でただただ垂れ流しているだけのようなこの文章を。あなたは読んでくださるというのですか。私が一切の責任を負わないと知っていながら、あなたは読んでくださるというのですか。読んでくださるのですね。閉じる気はないのですね。まだまだ余裕があって、こんな私に付き合ってくれるのなら歓迎します。嫌になったらいつでも読むのをやめていただいて結構です。このまま続きますので。改行も行間も一切なしで続きますので。ええ、この形式は私のこだわりのようなものです。一度やってみたかったのです。一つの段落のみで、最初から最後まで空白なしの文章を書いてみたかったのです。読みやすさは完全無視の自分勝手な表現方法です。あなたには理解できないかもしれません。誰にも理解できないかもしれません。それでもいいのです。開き直ってしまいますが、これが私の作家としての個性です。個性にしたいのです。王道はできるだけ避け、同じ轍を踏まないようにするのが私なりの個性の出し方です。こんなことを繰り返しているから、いつまで経っても良い方向には進まないのでしょうね。その通りだと鼻で笑ってくれて構いません。あなたは書き手ですか。であれば、私よりもさぞかし人気があることでしょう。意味が分からない文章だと鼻で笑ってくれて構いません。あなたは読み手ですか。であれば、私のような作者は気持ちが悪いでしょう。おかしな文章を書く人だと鼻で笑ってくれて構いません。ですが、あなたがこれを読んでいるということは、私も意味が分かりませんし、おかしいのではないかとも思います。何が面白いのですか。暇潰しですか。私はあなたのことが分かりません。進んでこれを読みたいと思ったのですか。私はあなたのことが分かりません。どうしてまだ読んでいるのですか。私はあなたのことが分かりません。この話に興味があるから今も目で追っているということしか分かりません。それ以外のことは分かりません。私はあなたのことが分かりません。だんだんおかしくなってきますね。まだ序盤なのに。私もおかしくなってきそうです。元々おかしいですか。こんな文章を書いている時点で。そうかもしれません。想像上で人を殺している時点で。そうかもしれません。あなたは人を殺したいと思ったことはありますか。こんな問いを投げかける時点で。そうかもしれません。私はおかしいのかもしれません。そうかもしれません。本当は普通未満の人間なのかもしれません。おかしいのかもしれません。そうかもしれません。私は殺人を犯す想像をするほどに、誰かを殺したいと思ったことがあります。それがおかしい原因なのかもしれせん。そうかもしれません。あなたは殺人の想像をしたことはないですか。なければ、とても綺麗な心をお持ちですね。殺意に心を支配されたことがないのですね。良いことです。とても、とても、良いことです。そんなあなたにお話しするようなことではないですが、これは私の独り言なので。たまには吐き出さなければ堪えられないこともあるのです。ストレス発散にこのサイトを使い、モキュメンタリーホラー小説コンテストに応募するなど何を考えているのかと思われてしまうかもしれませんが、どうせ受賞はできません。自虐的に言ってしまいますが、私はどのコンテストに応募しても掠ったことすらないのです。才能がないことは明らかです。求められている話を書くこともできないのです。それでも書くなんてどうかしてますよね。正直言ってもうやけくそです。そんな気持ちで書いたこれが受賞するはずもありませんし、万が一受賞したとて、誰一人納得などしないでしょう。モキュメンタリーの類に含まれるのかどうかすら微妙なラインなのですから。果たしてこれはモキュメンタリーなのでしょうか。モキュメンタリーを履き違えているかもしれませんが、受賞などは狙っていませんので、このまま私の好きに書かせていただきます。引き返さなくて大丈夫ですか。またか、しつこい、と思いましたか。ですが、後でがみがみ言われるのは嫌なので、予防線は張っておきたいのです。読むべきではないですよ。決して気持ちの良い話ではないです。そして、何度でも言います。これを読んで気分を害したとしても、私は一切の責任を負いません。いいですか。何があっても、私は一切の責任を負いません。長々と焦らすほどのことでもないので、そろそろお話ししますね。私が初めて誰かを殺してやりたいと思ったのは、小学生の時でした。同級生の女子に対してです。私は彼女のことがあまり好きではありませんでした。彼女は嘘吐きです。仮病癖がありました。すぐにお腹が痛いと言って保健室に行っていました。演技に見えました。本当の時もあったかもしれませんが、大抵は嘘のように見えました。保健室で休んだ彼女は、帰宅の時間になったら腹痛など最初からなかったかのように元気に帰って行くのです。その姿を見て、小学生だった私は信じられない思いでした。今は何とも思わないのですが、当時はそうではなかったのです。それだけのことが、凄くイラついてしまいました。一人だけ授業をサボっていることが気に食わなかったのかもしれません。腹痛は当人にしか分からないので、当人が痛いと言えばそれは痛いものなのです。養護教諭も児童を疑うわけにはいきません。本当にお腹が痛いのかと猜疑心を抱いたのは、何も私だけではありませんでした。お腹が痛いと言った日に、元気に帰路に着く姿を他の人も見ていたのです。嘘を吐くならせめて家に帰るまではやり遂げた方が良かったのではと今では思います。本当にお腹が痛くて、休んだことで本当に元気になった場合もあるかもしれませんが、小学生の私はその想像ができませんでした。まだまだ幼かったのです。見えている世界が小さかったのです。彼女は嘘吐きです。私の中でその烙印が押されました。彼女は嘘を吐く人なのだと、その烙印が押されました。彼女は嘘吐きです。ますます好きではなくなりました。嘘吐きな彼女は頭も良くなかったです。授業から逃げ、腹痛と称してサボってばかりいたからでしょう。馬鹿でした。誰よりも馬鹿でした。私よりも断然馬鹿でした。テストの点数はいつも赤点です。私も決して頭が良いとは言えませんが、平均点くらいはちゃんと取っていました。でも彼女は赤点です。全教科赤点です。当時の小学生のテストに赤点の概念があったかどうかはうろ覚えですが、中学校や高校で言えば確実に赤点でした。頭は悪いのです。馬鹿なのです。馬鹿なのに、誰かのことを馬鹿にして見下すようなことがありました。馬鹿が馬鹿じゃない人を見下しているのです。馬鹿でなくとも人を見下すことは良くないですが、馬鹿な癖に何を見下しているのかと、当時の私も馬鹿な彼女を見下していました。私は彼女のことが好きではありません。この際はっきり言いますが、物凄く嫌いです。きっとそれは彼女にもそれとなく伝わっていたことでしょう。言葉にしなくとも、視線や態度、声色、距離感などで感じる部分はあったと思います。そして、彼女も私のことが嫌いだったと思います。何か大喧嘩をしたわけではないのですが、お互い生理的に受け付けないタイプだったのかもしれません。顔が嫌いだとか、見ていられないほどに醜いだとか、そういうわけではないです。私も彼女も顔面などは不細工ではありません。普通です。普通の女子です。そのはずです。小学生特有の容赦ない罵声で不細工などと揶揄されたことはないので、顔は普通のはずです。不細工であれば、不細工だと指を刺され多数の人間に嗤われていたことでしょう。小学生は言葉の重みをまだ知りません。もしかしたら、中学生、高校生、大学生、あるいは大人になっても、その重みを知らない人はいるかもしれませんが。馬鹿だと言っている私もその一人かもしれませんね。口は良くありません。悪いです。ああ、すみません。話が逸れてしまいました。元に戻します。そんな彼女に対して明確な殺意が芽生えたのは、ある日の給食の時でした。机を二列ごとに向かい合わせでくっつけて昼食を摂っていたのです。私の隣の席だったのは彼女でした。月毎に席替えがあったのですが、その月は毎日が憂鬱だったことをよく覚えています。給食の時も、彼女と喋ることはほどんどありませんでした。その日も会話を交わすことはないだろうと思っていましたが、どういうわけか、私は彼女に言葉で挑発されたのです。一気にカッとなってしまいました。何を言われて頭に血が上ったのか、肝心なことがなぜか頭からすっぽり抜け落ちてしまっているのですが、確かにその時に、私は彼女のことを殺してやりたいと思ったのです。殺してやりたい。方法は絞殺です。殺してやりたい。この手で絞め殺してやりたいと思ったのです。殺してやりたい。しかしながら、挑発に乗って手を出してしまっては彼女の思う壺です。殺してやりたい。実際に首を絞めたら私の人生が終わります。殺してやりたい。当時からそのような理性はありました。殺してやりたい。殺意を必死に抑えていました。殺してやりたい。顔が怒りで真っ赤になっていたことと思います。殺してやりたい。全身が熱く燃え滾っていました。殺してやりたい。血が沸騰し、頭の中まで真っ赤に染まっていました。殺してやりたい。その中では、彼女の首を両手で絞めている自分の姿が映っていました。殺してやりたい。思い切り絞めていました。殺してやりたい。彼女の首が一回り細くなってしまうくらいに思い切り絞めていました。殺してやりたい。骨が折れてしまいそうなほどに、いえ、本気で骨を折るつもりで、強く強く絞めていました。殺してやりたい。殺してやりたい。殺してやりたい。殺してやりたい。殺してやりたい。死ね。殺してやりたい。死ね。殺してやりたい。死ね。殺してやりたい。死ね。殺してやりたい。死ね。殺してやりたい。殺してやりたい。殺してやりたい。殺してやりたい。殺してやりたい。殺してやりたい。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す。死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。強烈な殺意です。殺してやりたい。殺す。死ね。初めて経験しました。殺してやりたい。殺す。死ね。私は彼女を絞殺しました。大成功です。やり遂げました。同時に、たまにニュースで耳にする、ついカッとなって殺してしまったという犯人の供述を理解してしまいました。このような気持ちだったのかと理解してしまいました。頭に血が上り、それにより激しく昂る感情を制御できなくなると、人は人を簡単に殺せてしまうのだと理解してしまいました。私はその日、犯罪者の一歩手前まで堕落してしまったのです。まだ理性が残っているおかげで、罪は犯してはいません。それを失ってしまうと、私は人を殺してしまうでしょう。想像で済ませられていたことを、現実でも実行してしまう日が来てしまうかもしれません。私が殺意を抱いた彼女とは中学まで一緒でしたが、高校は別々だったので、そこからは疎遠です。会うつもりなど毛頭ありません。私の人生に彼女は必要ないのです。寧ろいない方がいいのです。これが、私が初めて抱いた殺意のお話です。思い返せばしょうもないことで殺意に侵されたな、とは思いますが、当時の私にとってはしょうもなくなどなかったのです。あなたも、それくらいのことで人を殺したいと思うなんてどうかしてる、と私のことを馬鹿にしていますか。見下していますか。理解などできませんか。しかしですね、誰しもが持っている感情だと思うのですよ。ふとした時に誰かを殺したいと思ったことがないなんて、本当ですか。あなたはそんなに心が穏やかな人なのですか。もちろん私と違って誰にでも優しい人はいらっしゃるかと思います。それについては私も理解しているつもりです。私のお話に共感している人がいるのかどうか定かではありませんが、この殺意について分かってくださる方はきっとどこかにいると思うのです。私は何も特別な人間ではありませんから。想像の中で人を殺すのは自由ですよ。誰にも迷惑はかけていません。犯罪にもなりません。そこで大量殺人を犯してもいいのです。罪には問われません。直接手を下すようなことをしなければ、無問題なのです。そう思いませんか。人の頭の中なんて、本人が口にしなければ決して分かりはしませんから。覗けませんから。それならばいくら殺しても問題はないと、そう思いませんか。さて、ここまで読んで、どうでしょう。気持ち悪くなってはいませんか。まだまだ余裕ですか。あなたは、決して心が綺麗とは言えない人間の独白をひたすら読むのが好きなのでしょうか。私も好きですよ。気の狂った人間の独白、大好きです。そうですね、プロ作家の作品で例を挙げるのならば、私が敬愛している二宮敦人さんの『ある殺人鬼の独白』がそのようなタイプの話でしょうか。大好きな作品の一つです。読んだことはありますでしょうか。私が今書いているものよりも、やはりプロの方が書いた物語なので断然面白いはずですよ。これを読むよりも価値があると思います。それでも、これに目を通すというのであれば、もう追い出すようなことはしません。閉じるも読み続けるもご自由にどうぞ。変わらずに、私は一切の責任を負いません。責任を放棄して、好き勝手に話を続けますが、私は例の女子以外の人に対しても、頭が沸騰しそうなくらいの殺意を抱いたことがあります。誰だと思いますか。あなたが咄嗟に考えた人が当たっているかどうか判断のしようがありませんが、正解は、自分の父親です。当たっていましたか。私は父親のことが嫌いです。父親は飲んだくれでした。飲むと手がつけられません。暴言暴力は当たり前です。母親が宥めようとしても、それに効果はありませんでした。死んだように眠りこけるまでひたすら母親に罵声を浴びせ、暴力を振るうのです。母親はサンドバッグ状態でした。私はその光景を、母親が父親に殴られる光景を、父親が母親を殴る光景を、陰で見ていることしかできませんでした。非力で無力で、怖くて泣くことしかできない子供だったのです。その頃はまだ、父親に殺意を覚えてはいませんでした。まだまだ純粋な心を持っていたのです。いつか両親は仲良くなってくれると本気で思っていたのです。父親が素面の時に、母親が、飲むなとは言わない、でも飲む量をもっと考えてほしい、制御してほしい、と訴えかけましたが、父親は生返事をするだけで、少しも考えてくれたことなどありません。反省一つしないのです。自分は何も悪いことはしていないと思っているのです。ふざけてますよね。こんな碌でもない人間の血を私は受け継いでいるのかと今でも腹立たしく思います。母親に一切謝らない父親は、飲まないとやってられないとばかりに際限なく飲み続けました。いくつもいくつも缶や瓶を開けて浴びるように飲んでしまえば、言わずもがですが、理性などコントロールできるはずがありません。心も体も傷だらけの母親を奴隷扱いして従わせ、やはり蹴る殴るなどの暴力を振るう父親によって、私の家庭はあっという間に崩壊していきました。全て父親のせいです。家がボロボロになっていくのも、父親が酒を飲む度に恐怖に支配され、母親がみるみるうちに老けていくのも、全て父親のせいなのです。暴力に堪えかねた母親は一度、離婚したいと申し出たことがあります。当然ですよね。私も離婚してほしいと思いました。父親抜きで、母親と二人で人生をやり直したいと思いました。ですが、父親はそれを断固拒否し、離婚届をビリビリに破り捨てました。その日を境に、父親の折檻は更に酷いものになりました。それまでは母親が死ぬ気で庇ってくれていたおかげで私に父親の拳が飛んでくることはありませんでしたが、父親は母親の目を盗んで私にも手を上げてくるようになったのです。痛くて痛くて泣き叫びました。母親はこんな苦痛に一人でじっと堪えていたのかと、泣いてばかりで何も知らなかった自分が情けなくなりました。私は母親の愛で守られていたのです。私の前では、大丈夫だよ、と弱々しくも安心させるように笑みを見せてくれていましたが、あれだけの暴力を受けて大丈夫なはずがないのです。大丈夫というその言葉を信じることで自然と目を背けてしまっていた母親の苦痛を、実際に自分が受けたことで無視できなくなり、初めて父親に対して、死んでほしい、そう思いました。死んでほしい。あんな奴、早く死んでほしい。死ねばいい。毎日誰かが、死ぬ必要のない人たちが死んでしまっているのに、どうしてこんな酒浸りなクソ野郎が死なないのかと、仄暗い感情が沸々と湧き上がってきました。死んでほしい。それが不可能なら、殺してやりたい。この手で、息の根を止めてやりたい。殺してやりたい。殺してやる。殺してやりたい。殺してやる。殺してやりたい。殺してやる。殺してやる。殺してやる。殺してやる。その時にはもう私は中学生になっていました。初めて殺意を覚えた日は過ぎていたのです。中学生の私は、殺意という感情を既に知っていたのです。知らない感情ではありませんでした。殺意を覚える前の純粋な気持ちは消え失せていました。殺してやる。殺してやる。殺してやる。殺す。殺す。殺す。その日も父親という名のクソ野郎は酒を飲み、一頻り暴れてから、自らぐちゃぐちゃにした居間で死んだように眠りました。このまま死んでくれたら万々歳でした。死ね。死ね。死ね。一生起きるな。死ね。死ね。死ね。早く死ね。死ね。死ね。死ね。殺す。殺す。殺す。殺してやる。殺してやる。殺してやる。疲れ切った母親の側に寄りながら、私は何度も唱えていました。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。大きく口を開いて、汚い鼾をかくクソ野郎を睨みつけながら、専ら呪文を唱え続けていました。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。頭が真っ赤になりました。死ね。殺す。殺してやる。一度経験したことのあるあの感覚です。死ね。殺す。殺してやる。紛れもなく、膨れ上がった殺意でした。死ね。殺す。殺してやる。汚らわしい鼾が更に、私の体温を上昇させます。死ね。殺す。殺してやる。血がぐるぐると全身を巡り、心臓が早鐘を打ちます。死ね。殺す。殺してやる。殺すしかない。死ね。殺す。殺してやる。殺してやる。死ね。殺す。殺してやる。今なら殺せる。死ね。殺す。殺してやる。殺す。死ね。殺す。殺してやる。殺す。死ね。殺す。殺してやる。殺す。死ね。殺す。殺してやる。私はあのクソ野郎を絶対に殺せました。死ね。殺す。殺してやる。ですが、クソ野郎を殺したことで自分の人生を棒に振るわけにはいきません。死ね。殺す。殺してやる。寝ている時に殺すのです。死ね。殺す。殺してやる。正当防衛はきっと認められないでしょう。死ね。殺す。殺してやる。それならば、またクソ野郎が酒を飲み、暴れ、命の危険を感じた時に殺すのがベストでしょうか。死ね。殺す。殺してやる。ですが、それではまたしても母親を苦しめてしまいます。死ね。殺す。殺してやる。私はもう、クソ野郎の暴力で母親に苦しんでほしくはないのです。死ね。殺す。殺してやる。今まで私を守ってくれた母親を、今度は私が守る番です。死ね。殺す。殺してやる。私は優しい母親と違って、人を殺す想像をしたことがある人間です。死ね。殺す。殺してやる。確実に一人を殺しているのです。死ね。殺す。殺してやる。同級生の女子を、絞殺しているのです。死ね。殺す。殺してやる。殺意を抱いたまま、想像しました。死ね。殺す。殺してやる。私は想像しました。死ね。殺す。殺してやる。クソ野郎を殺す想像をしました。死ね。殺す。殺してやる。まずは母親を寝室へ行かせ、ベッドの上で休ませます。死ね。殺す。殺してやる。その後私は居間に戻り、台所から包丁を取り出します。死ね。殺す。殺してやる。一丁では心許ないので、もう一丁手に取りました。死ね。殺す。殺してやる。両手に包丁です。死ね。殺す。殺してやる。殺したことは別にバレても良かったです。死ね。殺す。殺してやる。指紋のことなど気にしませんでした。死ね。殺す。殺してやる。とにかくどんな手を使ってでもクソ野郎を殺すことしか考えられませんでした。死ね。殺す。殺してやる。殺す。死ね。殺す。殺してやる。殺す。死ね。殺す。殺してやる。絶対殺す。死ね。殺す。殺してやる。殺してやる。死ね。殺す。殺してやる。私はクソ野郎に近づき、うるさくて心の底からイライラする鼾すら殺すように、躊躇うことなく喉に包丁を一丁突き立てました。死ね。殺す。殺してやる。血が溢れ出しました。死ね。殺す。殺してやる。クソ野郎の汚い血です。死ね。殺す。殺してやる。喉を刺されたクソ野郎は目を開けたものの、状況を把握しきれていない様子でした。死ね。殺す。殺してやる。血が喉に詰まり、息もできていない様子でした。死ね。殺す。殺してやる。滑稽でした。死ね。殺す。殺してやる。自分の血に溺れているのですから。死ね。殺す。殺してやる。酒に溺れていたクソ野郎にはお似合いです。死ね。殺す。殺してやる。私は喉に刺した包丁をぐっと思い切り押し込み、もう一丁を大きく開かれたままの口に突き刺しました。死ね。殺す。殺してやる。クソ野郎の口や首は真っ赤に染まっていきます。死ね。殺す。殺してやる。それでもまだ安心はできません。死ね。殺す。殺してやる。私は必死になって二丁の包丁を動かしました。死ね。殺す。殺してやる。急所を中心に、様々な箇所を刺したり抜いたり切ったりしたのです。死ね。殺す。殺してやる。とにかく大量の血を出さなければと思っていたのです。死ね。殺す。殺してやる。激しく抵抗される前に始末しなければならないという気持ちもありました。死ね。殺す。殺してやる。力では敵いませんから。死ね。殺す。殺してやる。私はこのクソ野郎を必ず殺す。死ね。殺す。殺してやる。そうしなければ意味がないのです。死ね。殺す。殺してやる。ここまで来たら、いえ、ここまで来なくても、中途半端に生かすわけにはいきません。死ね。殺す。殺してやる。自分と母親の幸せのために、私はクソ野郎を刺殺しました。無事、刺殺できました。殺せました。想像の中の返り血に塗れた私は満足していました。罪悪感は覚えていませんでした。どうしてもっと早くこうしなかったのかと後悔すらしていました。清々しい気持ちでいっぱいだったのです。良い殺人をしました。幸せになるための殺人をしました。クソ野郎はやっと死にました。私が殺しました。私が殺しました。大成功です。私が殺しました。最高の気分です。私が殺しました。これが、私が感じた二回目の大きな殺意のお話です。殺人のみは、現実では起こっていません。ですが、家庭の崩壊は実際に起こっています。いえ、もう、過去形でいいかもしれません。あのクソ野郎は、案の定というかなんというか、急性アルコール中毒でやっと死にましたから。全く悲しくありませんでした。ようやく楽になれたのです。暴力やそのストレスで窶れ、老けてしまっていた母親は、ゆっくりとではありますが、少しずつ元気を取り戻しています。母親には、私が脳内でクソ野郎を残酷に刺殺したことは伝えていません。今これを読んでいるあなただけが知っていることです。私の本当の姿を誰も知らない場所だからこそ、殺意という黒い感情を含め、何でもぶちまけてしまえるのかもしれませんね。ああ、おかげで、少し気分が楽になりました。溜め込みすぎるのは良くないですね。発散は結構大事です。それを誰かに向けて傷つけることは言語道断ではありますが。あなたはこんなものを読んでも傷ついてはいませんよね。分かっている上で読んでいるはずです。嫌な気持ちになっても私は知りません。ここまでで、何の得にもならないお話をかなりしたかもしれませんが、この文章はまだまだ続きますよ。まだまだその、何の得にもならないお話をしていこうと思っているのです。読む読まないは自由です。疲れようが、嫌になろうが、胸が悪くなろうが、私は一切の責任を負いません。そろそろしつこいですよね。すみません。しかしですね、言っておかないと不安なのです。あなたの身に何が起ころうと、私は知りません。私は一切の責任を負いません。責任云々に関しては、十分理解していると思いますので、この辺にしておきますね。次の独り言に移ります。その前に、突然ではありますが、あなたに一つ質問です。あなたがこれまでたくさん読んできたであろう小説の中で、一番好きなキャラクターは誰ですか。いない人もいるかもしれませんが、もしいるのであれば、それは誰ですか。どの作品に出てくるどのようなキャラクターですか。パッと思いついたキャラクターがあなたの好きなキャラクターだと思います。私と被ったら奇跡です。きっと好みや趣味が似ているのでしょう。仲良くなれそうです。ああ、今、不快な気持ちになりましたか。こんな人間と仲良くなんかなりたくないですか。おかしいですね。こんなものに目を通している時点で、私と同類ではないでしょうか。そう思いませんか。ああ、いえ、すみません。生意気なことを言ってしまいました。本題に戻りますね。あなたの好きなキャラクターは私には知り得ませんが、私の好きなキャラクターをあなたは知ることができます。どうでもいいことだとは思いますが、先程から話していることは全てどうでもいいようなことばかりですから、今更ですね。一度申し上げました通り、私は二宮敦人さんを敬愛しています。その二宮敦人さんが書かれた物語の中に、私が心から惹かれたキャラクターがいるのです。そのキャラクターが『殺人鬼狩り』の霧島朔也です。霧島朔也のことを一言で表すのなら、サイコパスです。登場人物のほとんどがサイコパスではあるのですが、霧島朔也が断トツでサイコパスだと私は思っています。純粋悪のサイコパスです。いつしか私は、霧島朔也のようなサイコパスに興味を持つようになっていました。何がきっかけだったのかは覚えていません。しかし、殺意に侵され、人を殺す想像をしてしまう時点で、実際に人を殺せてしまう殺人鬼に興味を持ってしまうのは仕方のないことなのかもしれません。霧島朔也を筆頭に、すっかりサイコパスの魅力に取り憑かれてしまった私は、そのような極悪な殺人鬼が登場する話を好んで読むようになりました。そのおかげでしょうか、いろいろと読んでいくうちに、もう一人、霧島朔也以外にもう一人、印象に残るキャラクターに出会いました。それが、知念実希人さんの書かれた『真夜中のマリオネット』の石田涼介です。石田涼介もまた、サイコパスといっても差し支えないでしょうか。とにかくですね、私は霧島朔也や石田涼介といった殺人鬼に惹かれてしまうようになったのです。たまに自らの手で殺人鬼を書くこともありますが、その中身はプロの作家が書く物語の足元にも及びません。当然のことですね。所詮私はアマチュアですから。そしてその興味は、物語の中の殺人鬼だけに留まらず、現実に存在した殺人鬼にも向けられるようになりました。私は時々、犯罪史に残るような凶悪な事件について、ネットで調べることがあります。興味本位です。真似しようなどとは思っていません。そんな度胸は私にはありません。脳内虐殺をしている奴に言われても説得力なんかないですか。確かにそうかもしれませんが、それに関しては何も証明などできないので、ただ信じてもらうしかありません。私は殺人の参考にしたくて、事件の概要を読んでいるわけではないのです。そこは誤解しないでいただきたいです。お願いします。私は殺人を犯したことなどございません。私は殺人を犯したことなどございません。私は殺人を犯したことなどございません。どうでしょう。信じてくれましたでしょうか。信じてくれたと判断して言ってしまいますが、現実の殺人鬼ですぐに思いつくのは、結構有名だと思います、酒鬼薔薇聖斗です。ご存知でしょうか。流石に本名ではないようですが、その名前を聞いて不愉快に思うようでしたらすぐに閉じてください。見てもいいことはありません。酒鬼薔薇聖斗を知らなければ尚更です。世間を震撼させた事件でもあり、忘れてはいけない事件でもあるとは思いますが、無理に知る必要もないのではないかと思います。間違った情報をお伝えするわけにはいきませんので、事細かに書くつもりはありませんが、それでも読めば暗い気持ちになると思います。ここからは、最初からそうではありますが、自己責任でよろしくお願いします。酒鬼薔薇聖斗は、事件当時中学生でした。私がちょうどクソ野郎を脳内で滅多刺しにした年齢と同じくらいの年齢で、酒鬼薔薇聖斗は児童を狙った連続殺傷事件を、紛れもなく現実で起こしているのです。その複数の犯行の中でも印象深いのが、ある児童を殺害した後、頭部と胴体部とに切断し、頭部を酒鬼薔薇聖斗自身が通っている中学校の正門前に放置するという所業です。遺体の口には犯行声明文が挟まれていたようです。事件の概要を一通り見た時は衝撃が走りつつも、やはり興味が湧いてしまいました。なぜこのような殺人鬼が生まれてしまったのか。なぜこのような犯行に至ったのか。そんなことが気になってしまうのは、事件に関して他人事だと思ってしまっているからでしょうか。酒鬼薔薇聖斗のような快楽殺人鬼が現実にいたというのは、事実は小説よりも奇なりと言えますね。創作上に登場する殺人鬼も凶悪ではありますが、それに負けず劣らず現実の殺人鬼も凶悪です。だからこそ私は、フィクションでもリアルでも、一歩間違えれば誰でも簡単に化けてしまうような殺人鬼というものに、思わず手が伸びてしまうのかもしれません。遠くて近い存在なのです。あなたも私も心のどこかに狂気や殺意を飼っていて、それが暴発するかしないかの話です。そう考えてみますと、誰でも殺人鬼になり得る要素があるとは思いませんか。ほら、よく聞きますでしょう。誰かが逮捕された時に、周辺の住民や同級生などに犯人について尋ねるあれです。良い印象を持っていただとか、そんなことをする人だとは思わなかっただとか、愛想の良い人だっただとか、たまに聞きませんか。無論、その逆もありますね。良い印象は持てなかっただとか、学生の頃から問題児だっただとか、トラブルの多い人だっただとか。その度に私は思うのです。どんなに印象の良い人でも、悪い人でも、人を殺してしまうのだと、殺せてしまうのだと、そう思うのです。殺人鬼になるならないの境界線は曖昧だと思いませんか。中身や外面が良かろうが悪かろうが、育った環境が良かろうが悪かろうが、殺人鬼になる人はなるのです。誰もがその種を持っているのです。私はそう思います。ああ、いつか私も、人を殺してしまうかもしれません。何かの拍子に悪い種が発芽して、みるみるうちに育ち、そこから姿を表した真っ黒な感情に突き動かされてしまうかもしれません。人を殺してしまうかもしれません。私は人を殺してしまうかもしれません。そうなる日が来てしまうかもしれません。霧島朔也のような、石田涼介のような、酒鬼薔薇聖斗のような、創作でも現実でも極悪とされる殺人鬼を崇拝してしまうような日すら、来てしまうかもしれません。今は普通より少しくらい興味があるだけなのです。その欲求は、本を読んだり書いたりすることで満たせているのです。分かってくれますか。あなたは分かってくれますか。どうでしょう。前述したような殺人鬼を、あなたはエンタメとして消化できる人ですか。好きですか。嫌いですか。私のような人間の書いたこの稚拙な文章を、あなたはエンタメとして楽しむことができる人ですか。好きですか。嫌いですか。どうですか。どっちですか。好きですか。嫌いですか。小説と呼べるのかどうかも怪しく、モキュメンタリーホラーと呼べるのかどうかすらも怪しいこれは、好きですか。嫌いですか。意味が分かりませんか。理解できていませんか。好きですか。嫌いですか。嫌いであれば、ここまで読んではいませんか。それならば、好きだということですか。そうなのですか。それともただ機械的に見ているだけですか。眺めているだけですか。何も思ってはいませんか。無感情のまま読んでいますか。目の運動をしているだけですか。文字をなぞっているだけですか。私の話を聞いていますか。頭に入ってきていますか。好きですか。嫌いですか。どうですか。どうですか。どうですか。好きですか。嫌いですか。好きですか。嫌いですか。私の書くこの文章が、猟奇的な殺人鬼が、あなたは好きですか。嫌いですか。私は凄く好きですよ。こんなものを読んでいるあなたのことが。大好きです。あなたはまだ狂ってはいませんか。大丈夫ですか。疲れてはいませんか。大丈夫ですか。気が狂ってしまっても責任は負いませんが、どうでしょう、あなたよりも先に私の気が狂ってしまっているかもしれません。私が狂ってしまっても、あなたに責任はないのでご安心ください。ご安心ください。責任はないのでご安心ください。ご安心ください。ご安心ください。ええ、どうやら、私は既に狂っているようです。どこからかは分かりません。私も、このお話も、全て狂っていると思われても構いません。見ての通り、視覚的にも最初からまともな代物ではありませんから。他の方が書かれたお話はきっと、しっかり人探しなどをしていることでしょう。情報などを求めていることでしょう。リアリティに溢れていることでしょう。書かれていることが現実に起こっている可能性だってあります。それに比べて、私のお話はどうでしょう。リアリティはありますか。ないですか。もしかしたらないかもしれませんね。全て事実としてお話ししておいて以下のようなことを言うべきではないかもしれませんが、この文章はどこかがフィクションで、どこかがノンフィクションなのです。それらを混ぜ合わせた方が不気味なのではないかと思い、真偽の分からないようにしてみました。私がだらだらと述べたことのどこが嘘で、どこが真実なのかは、ご想像にお任せします。答え合わせはいたしません。全て嘘だと思っていただいても構いません。逆に全て真実だと思っていただいても構いません。自由に解釈してください。それから、内容について良くも悪くもいろいろ思うことは全然構わないのですが、内容ではなく作者の人格そのものを否定するようなことは思わないでくださるとありがたいです。例えこのお話が全て嘘であったとしても傷ついてしまいます。ノベマの利用者は皆さん優しいと思いますのでそれほど心配はしておりませんが、念のためです。よろしくお願いします。そろそろ終わりにしましょうか。話すこともなくなってきました。モキュメンタリーホラー小説コンテストの短編部門の文字数は上限二万文字なので、ギリギリまで書くつもりでいたのですが、意外と書けないものですね。ここからまた話を引き延ばせたらギリギリを攻められるかもしれませんが。書き終わるまではどうなるか分かりません。上手くいけば長編部門の下限文字数である四万文字以上にできる可能性もありますが、それは流石に厳しそうです。やってやると意気込んではいましたが、元々ほぼノープロットで書いてしまっているので、やはり難しそうです。それに四万文字以上も、意味のないこの文字の羅列が続くのはストレスでしょう。現時点でもストレスを感じているかもしれませんが、私はあなたの身に何があろうと、変わらず一切の責任を負いませんのでご了承ください。あなたは最初から最後までこれを飛ばさずに読んだのでしょうか。それとも、一気にスクロールして適当なところから目を通しているのでしょうか。ああ、いいのですよ。私も他の方の作品で同じことをしてしまいますから。人のことをとやかく言う資格はありません。どんな形であっても、こんな見るからに危険物のようなものに、指一本でも触れてくださったことを大変嬉しく思っているのです。ありがとうございます。物凄く感謝しています。それでですね、あなたに一つ、聞いてもいいでしょうか。今更なんですが、モキュメンタリーホラー小説コンテストって、本当に開催されているのですか。すみません、急に不安になってきてしまいました。ちゃんと開催されていますか。エントリーできていますか。すみません、書いているうちに訳が分からなくなってきてしまいました。自信がなくなってきてしまいました。私の頭は本当におかしくなってしまったのかもしれません。おかしいですか。おかしいですかね。確認すればすぐに分かることなのにあなたに聞くなんて、おかしいですかね。ええ、ええ、そうですね。そうなのかもしれませんね。何度も申し上げているように、私は殺人鬼に興味があるのですから。おかしいのかもしれませんね。最初から。おかしいのかもしれませんね。ああ、人を殺してしまったらどうしましょう。想像で済まなくなってしまったらどうしましょう。冷静になっても、私は殺人鬼にどうしても魅力を感じてしまうのです。興味が削がれることは一生ないかもしれません。もし殺人をするなら想像だけにして、決して現実では起こさないように頑張ります。本物の殺人鬼にならないように頑張ります。頑張ります。頑張ります、って、おかしいですね。すみません。それではまるで、私に殺人欲求があるみたい捉えられてしまいますね。すみません。殺人欲求などないですよ。全然。ないです。ないです。え、信じられませんか。そうですか。どうしたら信じてくれますか。私、あなたに信じて欲しいです。無理ですか。無理な話ですか。同級生と父親を殺しているから無理なのですか。殺人鬼のことが好きだから無理なのですか。こんなものをコンテストに応募しているから無理なのですか。私、おかしいですか。おかしいですか。大変です。大変です。自分でも自分のことを信じられない理由ばかりが浮かんでしまいます。私、おかしいですか。否定すればするほど信じられませんか。それでは、逆に肯定してみますね。本当ではないですよ。こっちは信じないでくださいね。絶対に、信じないでくださいね。私には、殺人欲求があります。人を殺したいと思っています。殺してみたいと思っています。殺してみたいです。ああ、ああ。大変です。大変です。認めてしまったら、妙に腑に落ちてしまいました。私は人を殺したいのでしょうか。私は人を殺してみたいのでしょうか。どうなのでしょうか。私、おかしいですか。おかしいですか。おかしいですか。殺意とは関係なしに人を殺してみたいなんて、私、思ってるってことですか。おかしいですか。聞いてますか。聞いてますよね。ね。ね。ね。答えてくれませんか。私、あなたに聞いています。私、おかしいですか。私、人を殺したいんですかね。どうだと思いますか。私、あなたに聞いています。そんなの知るかって思ってますか。それとも、今、頷いてますか。後者の反応であれば、人を殺したいってことですね。私、人を殺したいって思ってるってことですね。ええ、ええ、分かりました。頑張ります。頑張ります。人を殺さないように頑張ります。頑張ります。罪を犯さないように頑張ります。頑張ります。絞殺も刺殺も、その後に切断して放置もしないように頑張ります。頑張ります。頑張ります。頑張ります。頑張ります。頑張ります。頑張ります。頑張ります。頑張ります。頑張ります。頑張ります。頑張ります。頑張ります。頑張ります。頑張ります。頑張ります。ところで、モキュメンタリーホラー小説コンテストって、ちゃんと開催されてますか。されてますよね。ありますよね。ええ、ええ、今、ある、開催されてる、って聞こえました。そんなこと、一言も言ってませんか。でもいいのです。私には聞こえましたから。ええ、分かってます。都合良く考えていることくらい、分かってます。これは全部、都合良くできてますから。創られた物語って、そういうものではないですか。とにかく、コンテストはしっかり開催されていると言ってもらえて安心できました。不安が拭えました。ありがとうございます。あなたのおかげです。ありがとうございます。コンテストは開催されている。この答えが聞きたかっただけなのに、さっきの私、変なところに向かってましたね。すみません。話があっち行ったりこっち行ったりしてますが、私、どうやら狂ってるみたいなので、そこは許してください。あなたはきっと優しい方なので、許してくれますよね。え、なんですか。狂ってる人は自分が狂ってるとは言わないですか。狂ってる人は自分が狂ってることに気づかないですか。なるほど、なるほど。それでは、私は何なのでしょう。狂ってはいなくて、ずっと冷静な感じに思われているのでしょうか。確かに、冷静であろうとはしています。それは意識しています。殺意の話をしている時も、一応冷静であろうと心掛けていました。思い出して熱くなりかけていましたが、一生懸命、溢れ出す感情を抑えようとしていました。そうしていたつもりなのですが、殺意や殺気は隠せていませんでしたか。そうですか。私もまだまだですね。もっと抑えられるようにならないと、殺す対象にバレてしまいますね。殺す対象、殺す対象、って、ああ、殺す対象だなんて、私は何を言っているのでしょう。聞かなかったことにしてください。お願いです。聞かなかったことにしてください。お願いです。お願いします。私は人を殺したことなどございません。私は人を殺そうなどと思っておりません。信じてください。信じてください。信じてください。私は人を殺すことなどできません。私は直接手を下すことなどできません。だから、想像しているのです。想像して、殺意をどうにか内に留めようとしているのです。信じてください。信じてくれますよね。信じてくれないなら、殺してやります。ああ、いけませんね。こんなことを思っては。もちろん頭の中でのことですよ。頭の中で、顔の見えない、誰か分からないあなたのことを、殺してやります。信じてくれたらそんなことはしませんよ。約束します。これで、信じてくれましたでしょうか。すみません。脅しのような発言をしてしまって。これ、何かしらの規約違反で強制非公開になるとかないですかね。大丈夫ですかね。どうですかね。とにかく、信じてください。私のことを信じてくれるのなら、あなたのことを殺しはしません。あ、二万文字。