それから数日後。
楓が学校に通えば何やら向こう側で揉め事だ。
「おい離せよ!」
「離しなさい!」
見れば井崎匠哉と八咫烏叶華が警備員に取り押さえられている。
「アイツらまだ諦めてなかったの?」
「図太ぇよな~」
楓の側では美玲達が呆れていた。
「何か知ってるの?」
「今回の騒動でね、井崎は裏の組織と手を組んでたのがバレて国外通報だって。八咫烏もあの女のせいで今後は衰退の一歩を辿るって噂だしどうなるのやら」
ならあの二人はもうこの学校にもいられない。だがそれでいい、もう楓にとっては過去の存在。今更思う事なんてない。
「お~お~やってんな」
「弥一⁈」
突然現れた酒吞弥一の姿に周りはざわついた。しかも今日の弥一は鬼嶋君ではない。
「今日は一緒に登校できないって、」
「もうこの学校に用はないからな。本来の姿に戻っただけだ」
「じゃあ高校生やめるの?」
「なんだ、弥一さんがいなくなって寂しいのか?なら家に帰って目一杯甘やかしてやるよ」
「な、そんなこと言ってない!」
いつもの胡散臭さで揶揄れればムッとする。隣では美玲達がクスクス笑っていた。
「楓!!」
叶華は楓を見つければ駆け寄ってくる。
「楓、助けて!学園から追い出される!」
「おはよう、お姉ちゃん」
「吞気なこと言ってないで私達を助けて!今までのことは謝るから」
そんな叶華の必死さに周りはどん引きしていた。だが落ちぶれた八咫烏グループ達に手を貸すものなどいない。
「若様!!お願いです。酒吞財閥が言えばきっと!」
「悪いが俺にお前達を助けるメリットはない」
「そんな!」
叶華は絶望的な顔をした。
「楓、そこにいるのか!!」
すると向こうからは警備員を振りほどいて匠哉も走ってくる。
「ちょうど良かった。俺とやり直さないか?今までのは全部水に流してさ」
この発言に周りからは悲鳴があがる。隣に弥一がいるのを分かっていて、驚きが隠せないのだろう。
「思えば俺ずっと維持張ってたよな。よく考えたらお前は悪くないのに。ホントはお前が好きっていうか…」
「は、ちょっと匠哉君!どういう事⁈」
「うるさい!落ちぶれた八咫烏に用はない!俺は井崎グループの跡継ぎだぞ⁈」
二人はその場で喧騒を始める。楓はその様子に一息付くと腕まくりをする。
「二人共、ちょっといい⁈」
すると二人は喧嘩を止めて楓を見る。
「私ね、実はずっと二人に謝りたかったことがあるの」
すると向こうの眼には期待の眼差しが籠っていた。
「楓、じゃあ私達を!!」
「うん…ぶっ飛ばしてやる」
「「ぎゃーーーー!!」」
楓は渾身のパンチを二人の顔に決め込めば、両者は放物線を描いて地平線の彼方まで飛んでいく。そんな様子に弥一が「回収しろ」と烏に声をかけた。
「スッキリしたか?」
「まあね」
楓が言えば弥一が笑った。
「やっとこれで解放されたわ。弥一、私を助けてくれてありがとう。恩は忘れない」
「なら卒業したら即結婚な」
「ホント、弥一は私が好きね」
「当たり前だろ。ここに来るまでどんだけ我慢したと思ってんだ。俺の片思い歴なめんな」
そう話す弥一はとても楽しそう。
「ふ、なら期待しとく」
楓はそれに笑えば、二人は愛おしそうに互いを見つめた。
楓が学校に通えば何やら向こう側で揉め事だ。
「おい離せよ!」
「離しなさい!」
見れば井崎匠哉と八咫烏叶華が警備員に取り押さえられている。
「アイツらまだ諦めてなかったの?」
「図太ぇよな~」
楓の側では美玲達が呆れていた。
「何か知ってるの?」
「今回の騒動でね、井崎は裏の組織と手を組んでたのがバレて国外通報だって。八咫烏もあの女のせいで今後は衰退の一歩を辿るって噂だしどうなるのやら」
ならあの二人はもうこの学校にもいられない。だがそれでいい、もう楓にとっては過去の存在。今更思う事なんてない。
「お~お~やってんな」
「弥一⁈」
突然現れた酒吞弥一の姿に周りはざわついた。しかも今日の弥一は鬼嶋君ではない。
「今日は一緒に登校できないって、」
「もうこの学校に用はないからな。本来の姿に戻っただけだ」
「じゃあ高校生やめるの?」
「なんだ、弥一さんがいなくなって寂しいのか?なら家に帰って目一杯甘やかしてやるよ」
「な、そんなこと言ってない!」
いつもの胡散臭さで揶揄れればムッとする。隣では美玲達がクスクス笑っていた。
「楓!!」
叶華は楓を見つければ駆け寄ってくる。
「楓、助けて!学園から追い出される!」
「おはよう、お姉ちゃん」
「吞気なこと言ってないで私達を助けて!今までのことは謝るから」
そんな叶華の必死さに周りはどん引きしていた。だが落ちぶれた八咫烏グループ達に手を貸すものなどいない。
「若様!!お願いです。酒吞財閥が言えばきっと!」
「悪いが俺にお前達を助けるメリットはない」
「そんな!」
叶華は絶望的な顔をした。
「楓、そこにいるのか!!」
すると向こうからは警備員を振りほどいて匠哉も走ってくる。
「ちょうど良かった。俺とやり直さないか?今までのは全部水に流してさ」
この発言に周りからは悲鳴があがる。隣に弥一がいるのを分かっていて、驚きが隠せないのだろう。
「思えば俺ずっと維持張ってたよな。よく考えたらお前は悪くないのに。ホントはお前が好きっていうか…」
「は、ちょっと匠哉君!どういう事⁈」
「うるさい!落ちぶれた八咫烏に用はない!俺は井崎グループの跡継ぎだぞ⁈」
二人はその場で喧騒を始める。楓はその様子に一息付くと腕まくりをする。
「二人共、ちょっといい⁈」
すると二人は喧嘩を止めて楓を見る。
「私ね、実はずっと二人に謝りたかったことがあるの」
すると向こうの眼には期待の眼差しが籠っていた。
「楓、じゃあ私達を!!」
「うん…ぶっ飛ばしてやる」
「「ぎゃーーーー!!」」
楓は渾身のパンチを二人の顔に決め込めば、両者は放物線を描いて地平線の彼方まで飛んでいく。そんな様子に弥一が「回収しろ」と烏に声をかけた。
「スッキリしたか?」
「まあね」
楓が言えば弥一が笑った。
「やっとこれで解放されたわ。弥一、私を助けてくれてありがとう。恩は忘れない」
「なら卒業したら即結婚な」
「ホント、弥一は私が好きね」
「当たり前だろ。ここに来るまでどんだけ我慢したと思ってんだ。俺の片思い歴なめんな」
そう話す弥一はとても楽しそう。
「ふ、なら期待しとく」
楓はそれに笑えば、二人は愛おしそうに互いを見つめた。