「来たよ、おじいちゃん!」
「おお、楓か。よく来たな」
祖父の家に着けば、おじいちゃんが嬉しそうに出迎えてくれる。今日は稽古もお休みで、楓達には特別レッスンをつけてくれるらしく、美玲達二人も張り切っていた。
「今日は酒吞の坊はいないのか?」
「酒吞さんのとこに寄ってから来るって。仕事が忙しいらしい」
「そうか。まあ上がっていきなさい」
三人は空手服に着替えれば道場に向かう。
「よ~し、特訓だ!」
「相変わらず楓は空手が好きね」
隣では美玲が呆れたように笑う。
「だって特別な訓練だよ⁈八咫烏狩りがいつ狙ってくるかも分からない。身を引き締めて備える時に備えておかなきゃ」
「お前は十分もう強いだろ」
それには清史郎も笑っていた。
先に道場の鍵を開けておくよう言い渡されたので、道場までやって来れば鍵を開けて中に入る。
「え、、、」
だがここで、楓は嫌な空気を覚えた。
「ん?どうしたの楓」
美玲達が不思議そうに見てくる。
中は暗く、何か嫌な気配が肌を掠めるのを感じたのだ。
「ッ、二人共!避けて!!」
「「!!」」
突如、上から襲ってきた攻撃に楓達は咄嗟の反射神経で端に避ける。見れば黒づくめの男達が楓達を取り囲んでいた。
「な、なんだ⁉何者だお前ら!」
清史郎は二人の前に出れば相手を睨みつける。だが相手は近くにいた美玲に目を付ければ攻撃を仕掛けた。
「美玲!!」
楓は美玲の前に回れば寸前のところでそれを受け止める。強い回転蹴りを相手に喰らわせれば、ひるんだ隙に胴を掴み上げるとそのまま床に叩きつけ気絶させた。
「美玲、大丈夫?」
「ええ。助かったわ、楓」
どうやら怪我は無くて安心した。
「清史郎!美玲をお願い!」
清史郎に美玲を預ければ、楓はどうしたもんか必死に考える。この量を一人で倒すのは出来なくもないが、後ろの二人を庇いながらだと楽ではない。
「…見つけた」
不意に黒づくめからはそんな声が聞こえてくる。
「八咫烏だ!捕えろ!」
「!」
その声で一斉に襲い掛かかる敵。
どうやら狙いは楓のようだ。楓は向かってきた攻撃をかわしつつ、自分も攻撃を仕掛ける。だがだんだんと押されてしまえば身の危険が脳裏を横切った。
「楓様危ない!」
「危ない!」
すると楓の後ろからは座敷わらし達が姿を現す。
手から光のビームを出せば、相手に向かって放つ。これには敵達もビックリして攻撃を止める。
「クソ…式神か。ええい、ここなったら」
「‼」
敵は楓に近づけないと分かれば、懐からは謎の瓶を取り出す。ニヤリと笑った顔に息を吞めば、刹那、瓶が床に叩きつけられ出てきたのは黒い瘴気に身を包んだ巨大な魔物だった。
「魔物⁈しかもこれ…」
あの日、公園で倒した時よりも遥かに強い。
はっと楓は美玲達を見る。二人には魔物が見えてないらしく、不思議そうな目で楓を見つめていた。
「美玲、清史郎!この部屋から逃げて!!魔物よ!!」
「「!!」」
二人はその言葉で目を見開く。
「恐らくとても強いわ!ここは危険だから貴方達だけでも逃げて!」
「分かった!私達は師匠を呼んでくるわ!」
二人は急いでその場を去る。
楓は無事に部屋から出れた二人の様子に安堵した。それにしてもどうするか。目の前にいる魔物からは異様な空気を感じる。加えてこの部屋に敵は複数。完全にこちらが不利。
「楓様!」
すると空間を切り裂くような振動と共に、誰かの攻撃が魔物に入った。魔物は苦しそうに唸れば倒れていき、楓には何が起こったのか分からなかった。だが不意に目の前に降り立ったのは一人の青年。彼は敵の一人に切りかかれば楓を攻撃から守った。
「クソ、烏だ!引け!!」
敵はそんな様子に踵を返せば逃げていく。
「追え!奴らを逃がすな」と辺りからは別の誰かの声が聞こえてくれば、逃げていく敵を追って道場を後にしていくのが見えた。
「おお、楓か。よく来たな」
祖父の家に着けば、おじいちゃんが嬉しそうに出迎えてくれる。今日は稽古もお休みで、楓達には特別レッスンをつけてくれるらしく、美玲達二人も張り切っていた。
「今日は酒吞の坊はいないのか?」
「酒吞さんのとこに寄ってから来るって。仕事が忙しいらしい」
「そうか。まあ上がっていきなさい」
三人は空手服に着替えれば道場に向かう。
「よ~し、特訓だ!」
「相変わらず楓は空手が好きね」
隣では美玲が呆れたように笑う。
「だって特別な訓練だよ⁈八咫烏狩りがいつ狙ってくるかも分からない。身を引き締めて備える時に備えておかなきゃ」
「お前は十分もう強いだろ」
それには清史郎も笑っていた。
先に道場の鍵を開けておくよう言い渡されたので、道場までやって来れば鍵を開けて中に入る。
「え、、、」
だがここで、楓は嫌な空気を覚えた。
「ん?どうしたの楓」
美玲達が不思議そうに見てくる。
中は暗く、何か嫌な気配が肌を掠めるのを感じたのだ。
「ッ、二人共!避けて!!」
「「!!」」
突如、上から襲ってきた攻撃に楓達は咄嗟の反射神経で端に避ける。見れば黒づくめの男達が楓達を取り囲んでいた。
「な、なんだ⁉何者だお前ら!」
清史郎は二人の前に出れば相手を睨みつける。だが相手は近くにいた美玲に目を付ければ攻撃を仕掛けた。
「美玲!!」
楓は美玲の前に回れば寸前のところでそれを受け止める。強い回転蹴りを相手に喰らわせれば、ひるんだ隙に胴を掴み上げるとそのまま床に叩きつけ気絶させた。
「美玲、大丈夫?」
「ええ。助かったわ、楓」
どうやら怪我は無くて安心した。
「清史郎!美玲をお願い!」
清史郎に美玲を預ければ、楓はどうしたもんか必死に考える。この量を一人で倒すのは出来なくもないが、後ろの二人を庇いながらだと楽ではない。
「…見つけた」
不意に黒づくめからはそんな声が聞こえてくる。
「八咫烏だ!捕えろ!」
「!」
その声で一斉に襲い掛かかる敵。
どうやら狙いは楓のようだ。楓は向かってきた攻撃をかわしつつ、自分も攻撃を仕掛ける。だがだんだんと押されてしまえば身の危険が脳裏を横切った。
「楓様危ない!」
「危ない!」
すると楓の後ろからは座敷わらし達が姿を現す。
手から光のビームを出せば、相手に向かって放つ。これには敵達もビックリして攻撃を止める。
「クソ…式神か。ええい、ここなったら」
「‼」
敵は楓に近づけないと分かれば、懐からは謎の瓶を取り出す。ニヤリと笑った顔に息を吞めば、刹那、瓶が床に叩きつけられ出てきたのは黒い瘴気に身を包んだ巨大な魔物だった。
「魔物⁈しかもこれ…」
あの日、公園で倒した時よりも遥かに強い。
はっと楓は美玲達を見る。二人には魔物が見えてないらしく、不思議そうな目で楓を見つめていた。
「美玲、清史郎!この部屋から逃げて!!魔物よ!!」
「「!!」」
二人はその言葉で目を見開く。
「恐らくとても強いわ!ここは危険だから貴方達だけでも逃げて!」
「分かった!私達は師匠を呼んでくるわ!」
二人は急いでその場を去る。
楓は無事に部屋から出れた二人の様子に安堵した。それにしてもどうするか。目の前にいる魔物からは異様な空気を感じる。加えてこの部屋に敵は複数。完全にこちらが不利。
「楓様!」
すると空間を切り裂くような振動と共に、誰かの攻撃が魔物に入った。魔物は苦しそうに唸れば倒れていき、楓には何が起こったのか分からなかった。だが不意に目の前に降り立ったのは一人の青年。彼は敵の一人に切りかかれば楓を攻撃から守った。
「クソ、烏だ!引け!!」
敵はそんな様子に踵を返せば逃げていく。
「追え!奴らを逃がすな」と辺りからは別の誰かの声が聞こえてくれば、逃げていく敵を追って道場を後にしていくのが見えた。