脚を起点とする堪えがたい欲情をどうしてよいか分からない。
「お前は、言うこと成すことすべて、本当に…………腹立たしいな」
「っ、あ、やめてください、旦那、さま、ああっ」

　先端のくぼみにつぷりと指先が沈む。そして、ぬるついた形状を残りの指で搾り取られる。
僕の背で、文兵衛が身を強張らせた。耳朶に唇が触れそうな距離で叱られると、背筋にぞわぞわとした感覚が走った。

「いいか、お前。今後、こうなったときは、俺を呼べ。決して他のものに触れさせるな」

　いつになく棘のある口ぶりの文兵衛は怒っているのだろうか。それとも、僕が発情していることを恥じて呆れているのだろうか。