「硬くなったまま寝ると、身体によくない。鎮めてやろう」
「し、しり、しりません」
「大丈夫だ。誰にも言わない」
「……ご、ごめんなさい」
「謝ることはない」
「ごめんなさい」

 文兵衛は、硬くなった僕の中心を着物の上からそっと撫で、部屋の灯りを吹き消した。白い煙が細くたなびく。
 唇をすぼめる文兵衛の仕草に、背筋へぴりぴりとした何かが流れた。身体が変だ。こらえ切れず震える息をつく。
 さらに、みっともない箇所まで熱っぽくなっていた。身体は正直で、汗がつうっとひと筋流れ落ちた。

「ご、めんなさい、先に、寝間に、戻らせていただいても宜しいでしょうか……」
「おい。ひとりで行くな」