もう何日も食べ物を口にしていなかった。嫁入りの一日だけではない。晩に振舞われた薬草酒を、ほんの少し舐めただけだ。
雨音が激しくなり、がたがたと雨戸が吹く風に揺れる。
そろそろ、根でもくず芋でも口にしないとまずいかもしれない。
気のせいではなくめまいでふらふらすることが増えた。まるで手先に血が巡っていないようだ。身体は強いほうだった。だが、それは昔の話。継母が来てからロクなものを食べられず、筋力も衰えてしまった。