文化祭以降、それまでが嘘のように水野と話すことが増えた。

最初は音楽の話をよくした。
文化祭でカバーしたバンドの新曲が出れば、感想は必ず水野と共有して、
近所迷惑だなんて考えもせずに河川敷でガチャガチャとコピーする。

「矢田って、もっと真面目な堅いやつかと思ってたけど、面白いな」

ボール遊びをしている小学生たちが遠くから俺たちを見ていた。

きっと彼らには俺たちが大人に見えていたと思う。
大人が二人肩を寄せて謎の塊から音を奏でる様は不思議だったに違いない。

そんな無垢で下手くそなキャッチボールを大人気なくからかったりしながら、日が暮れるまで笑った。