「それで、酒が入ってたのもあるけど、思わず電話したんだ。
別れて連絡取らないまま何年も経って
こんなふうに電話したら怒られるんじゃないかと一瞬で酔いが覚めた」

『もしもし?』

「久しぶりに聞いたお前の声に何も言えなかった」

『お前、飯ちゃんと食ってるか?』

「作った曲がことごとく売れて、
みんな言ったよ。
稼いでるでしょ、いいもの食べてるでしょって。
なのにお前は…。

何のために音楽をやっているのか、
何で音楽が好きなのか、思い出した。

正直何度も辞めたくなったし、
死にたいと思ったことも何度もある。

でも今が一番楽しい。
バンドやってて、音楽やってて。

バンドのメンバーと上手くやっていけてるのも矢田のおかげだ」