そして偶然にも同じ大学へ進学した。

小さな教室に一日中何十人もと閉じ込められない。
それだけで若干息がしやすくなった。自由を手に入れた気分だった。

水野は髪も服装もシンプルになった。
こいつも何かに縛られていたりしたのかなと、なんだか近くに感じられた。

サークルは揃って軽音楽部を選んだ。
厳密に言うと部活だったが、それほど活動は活発ではなかった。

もちろん二人でバンドを組んだ。
他の楽器のメンバーを入れてもよかったけれど、入れずにサポートを頼むほうがロックだという話になった。

若い頃の自分が考えることは謎に満ちている。
だが、極めて若い頃の俺と水野が考えそうなことでもある。