先生、本気ですか?




 ……え?


「……日路井先生?
 どうかしましたか?」


「うん? どうもしないよ?
 どうしたの、絢音くん」


「あ……いや、その……
 日路井先生に、ものすごく見つめられているような気がして……」


「嫌?」


「そういうことじゃないんですけど……
 ちょっと集中しづらい感じがしまして……」


「そうなんだ。
 照れ屋さんなんだね、絢音くんは」


 えぇっ?

 日路井先生、そういう意味に受け取ったんだ。


『照れ』

 そういうのとは違うのだけど。



 そう思っても、わざわざ訂正するのも、おかしな感じがする。

 というか、訂正しづらい。


「気にしなくていいよ。
 絢音くん、いつも頑張ってるなって思って見ていただけだから」


 そう思ってくれる。
 それは素直に嬉しい。



 だけど。

 やっぱり落ち着かない。
 日路井先生の視線。


 それだからだろうか。
 頭が働かなく、なかなか問題を解くことができない。

 日路井先生の説明、解りやすかったから解けないはずないのに。