しばらく黙ってそれぞれ座っていたSTEのメンバー。そこへ、軍人が2人、ペットボトル飲料を持って檻の中に入って来た。
「ほら、飲み物だ。」
1人ずつ手渡された。
「それにしても、さすがにアイドルだけあって、みんな綺麗だなぁ。本当に男なのか?」
軍人の1人が、瑠偉の顎を手でクイッと持ち上げてそう言った。軍人はみな筋骨隆々だが、STEのメンバーはそれに比べたらみな細身である。
「瑠偉!」
碧央が瑠偉の腕を引っ張って、自分の方へ引き寄せた。
「触るな!」
碧央がそう言うと、
「あ、こいつ知ってるぞ。世界のハンサム顔100選で、2年連続1位の……クレイだ、そうだよな?」
もう1人の軍人が、碧央の事を指さして言った。碧央は何も答えなかった。
「へーえ。なるほど。これが世界一のハンサムか。顔を拝めてラッキーだぜ。」
先ほど瑠偉の顔を触った軍人が、そう言うや否や碧央の顔を片手でぎゅっと掴んだ。
「やめろ!」
今度は瑠偉が、その軍人の腕を振り払った。
「おや?意外に力が強いね。」
軍人がそう言ったが、もう1人の軍人が、
「さあ、もう行こうぜ。」
と言ったので、2人の軍人は出て行った。
「ねえ、このままじゃ、やばくない?」
涼が小声で言った。
「うん。怖いよ。」
光輝も同じく小声で言った。
「そうだな、何とか手を考えないと。」
流星がそう言うと、大樹が、
「とにかく、この檻の中にいたんじゃ話にならない。何か口実をつけて外に出ないと。」
と言った。それから、またそれぞれ考えを巡らせた。檻の中を歩いたり、座ってじっとしていたり、メンバーそれぞれが思い思いに過ごした。すると、また軍人がやってきた。
「おい、お前たち、これからパフォーマンスを披露しろ。」
軍人が言った。
「はあ?何言ってんだよ。冗談じゃない。」
篤が咄嗟にそう返すと、軍人は、
「披露してくれたら、食事を与えてやる。」
と言った。
「なにー?」
篤が熱くなったが、
「篤くん、ここは従おう。この檻を出られるチャンスだ。」
大樹が日本語で言った。
「あ、そうか。そうだな。」
篤はそう呟くと、黙った。そして、7人は大人しく檻から出た。流星が、歩きながら日本語で話し始めた。
「俺に考えがある。まず、アメリカで人気のある「STARS」をやろう。全力でパフォーマンスすれば、きっともう1曲やれと言われるはずだ。STARSの時に、一度俺以外のメンバーが場外へハケるだろ。それで、また入ってくる。それでやつらを安心させて、次に「Shout」をやる。あの曲も、俺が1人になる瞬間がある。俺がハケて、みんなが入ってくると見せかけて、誰も入って来ない。つまり、逃げるんだ。」
「でも、どこへ?」
瑠偉が言った。
「分からない。だから、俺が1人で歌っている間に、先に走って逃げ道を探すんだ。瑠偉、お前は一番足が速いから、一番に飛び出して行って探すんだぞ。」
流星がそう言うと、
「うん、分かった。」
と、瑠偉が言った。すると軍人が、
「おい、何しゃべってんだ?」
と言って振り返ったので、流星は英語で、
「パフォーマンスの打合せだよ。曲はかけてくれるのか?」
と言った。すると軍人は、
「ああ、何を披露してくれるんだ?」
と言った。流星が、
「STARSだ。」
と言うと、
「おお、いいねえ!イエイ!」
何も知らない軍人は、歩きながら踊り出しそうな雰囲気だった。
「ほら、飲み物だ。」
1人ずつ手渡された。
「それにしても、さすがにアイドルだけあって、みんな綺麗だなぁ。本当に男なのか?」
軍人の1人が、瑠偉の顎を手でクイッと持ち上げてそう言った。軍人はみな筋骨隆々だが、STEのメンバーはそれに比べたらみな細身である。
「瑠偉!」
碧央が瑠偉の腕を引っ張って、自分の方へ引き寄せた。
「触るな!」
碧央がそう言うと、
「あ、こいつ知ってるぞ。世界のハンサム顔100選で、2年連続1位の……クレイだ、そうだよな?」
もう1人の軍人が、碧央の事を指さして言った。碧央は何も答えなかった。
「へーえ。なるほど。これが世界一のハンサムか。顔を拝めてラッキーだぜ。」
先ほど瑠偉の顔を触った軍人が、そう言うや否や碧央の顔を片手でぎゅっと掴んだ。
「やめろ!」
今度は瑠偉が、その軍人の腕を振り払った。
「おや?意外に力が強いね。」
軍人がそう言ったが、もう1人の軍人が、
「さあ、もう行こうぜ。」
と言ったので、2人の軍人は出て行った。
「ねえ、このままじゃ、やばくない?」
涼が小声で言った。
「うん。怖いよ。」
光輝も同じく小声で言った。
「そうだな、何とか手を考えないと。」
流星がそう言うと、大樹が、
「とにかく、この檻の中にいたんじゃ話にならない。何か口実をつけて外に出ないと。」
と言った。それから、またそれぞれ考えを巡らせた。檻の中を歩いたり、座ってじっとしていたり、メンバーそれぞれが思い思いに過ごした。すると、また軍人がやってきた。
「おい、お前たち、これからパフォーマンスを披露しろ。」
軍人が言った。
「はあ?何言ってんだよ。冗談じゃない。」
篤が咄嗟にそう返すと、軍人は、
「披露してくれたら、食事を与えてやる。」
と言った。
「なにー?」
篤が熱くなったが、
「篤くん、ここは従おう。この檻を出られるチャンスだ。」
大樹が日本語で言った。
「あ、そうか。そうだな。」
篤はそう呟くと、黙った。そして、7人は大人しく檻から出た。流星が、歩きながら日本語で話し始めた。
「俺に考えがある。まず、アメリカで人気のある「STARS」をやろう。全力でパフォーマンスすれば、きっともう1曲やれと言われるはずだ。STARSの時に、一度俺以外のメンバーが場外へハケるだろ。それで、また入ってくる。それでやつらを安心させて、次に「Shout」をやる。あの曲も、俺が1人になる瞬間がある。俺がハケて、みんなが入ってくると見せかけて、誰も入って来ない。つまり、逃げるんだ。」
「でも、どこへ?」
瑠偉が言った。
「分からない。だから、俺が1人で歌っている間に、先に走って逃げ道を探すんだ。瑠偉、お前は一番足が速いから、一番に飛び出して行って探すんだぞ。」
流星がそう言うと、
「うん、分かった。」
と、瑠偉が言った。すると軍人が、
「おい、何しゃべってんだ?」
と言って振り返ったので、流星は英語で、
「パフォーマンスの打合せだよ。曲はかけてくれるのか?」
と言った。すると軍人は、
「ああ、何を披露してくれるんだ?」
と言った。流星が、
「STARSだ。」
と言うと、
「おお、いいねえ!イエイ!」
何も知らない軍人は、歩きながら踊り出しそうな雰囲気だった。