「7年間、いろいろあったね。ボランティアもたくさんやったし。ふふっ、チョコレート事件なんてのもあったよねー。」
光輝はそう言って、碧央の顔を見た。
「そんなのあったっけ?」
碧央はそう言って、そっぽを向いた。
「あー、とぼけてるぅ。たかがチョコレートの事で真面目に喧嘩してさー。」
光輝がからかう。
「たかがって言うな。チョコレートの問題じゃないから。」
碧央が言うと、
「やっぱり覚えてるんじゃん、ばっちり。」
と、光輝が言って笑った。瑠偉が、
「あの事件のお陰で、たかがチョコレートの問題で済んだんだよ。その後、メンバーの間で裏切りとか一切なかったんだから。」
と言うと、涼は、
「怪我とか、病気とか、あれこれあったけど、無事乗り越えてきたなあ。」
と言って、遠い目をした。その顔を見た篤が、
「これからも乗り越えて行けるっしょ。」
と言って、やはり遠い目をし、
「そうだよな。」
流星もまた、そう言って遠い目をした。すると大樹が言った。
「まずは、今のこの状況を乗り越えないとね。」
そう、今まさにピンチである。狭いところに閉じ込められ、延々とどこかへ運ばれているのだ。
「なんか、暑くない?」
光輝が言った。秋なのに、蒸し暑くなってきた。
「つまり、南に移動しているって事かな?」
流星がそう言うとまた、ガタンとものすごい衝撃があり、どこかに下ろされたようだった。そして、ヘリの音も消えた。7人は立ち上がって身構えた。これから、何が起こる?
エレベーターの扉が開いた。今や、エレベーターでも何でもなく、ただの箱だったのだが。すると、そこには軍服を着た兵士たちが何人も立っていた。
「ようこそ、諸君。Save The Earthとかいう、にっくき悪ガキどもよ。お前たちは人質である。大人しく言う事を聞かないと、即座に射殺する。分かったかな?」
先頭に立っている軍人が、そう言って舐めるようにメンバーを見渡した。この人物が日本政府に声明を送った「Grate America」の司令官である。
「人質?どういうことだ?」
と、流星が返した。ちなみに、Grate America略してGAのメンバーとSTEとの会話は、全て英語である。
「まずは、お前たちの部屋へ案内する。ついて来い。」
ライフルを構えた軍人数人に促され、7人は歩き出した。入っていた箱は建物の汎用口のようなところに到着していた。軍事施設のような建物だ。飾り気のない、コンクリートの平屋建て。窓もほとんどないような要塞だった。
「ここに入れ。」
7人がたどり着いた先は、鉄格子の檻だった。檻の中に入らされ、軍人たちは鍵をかけた。
「人質とは、どういう意味だ?お前たちはどんな要求をしている?」
流星が司令官に話しかけた。
「我々は、アメリカ第一主義の義勇軍だ。日本政府に要求したのは、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」からの脱退、次に開かれる「気候変動枠組み条約」の締結国会議を欠席すること。そして、「核禁止条約」に未来永劫批准しないこと。この3つだ。この3つを守るなら、お前たちを返してやる。だが、日本政府が拒めば、お前たちの命はない。」
司令官が応えた。すると光輝が、
「なんだ、それ。僕たちを誘拐してまでやる事かよ。」
と言った。これは、日本語で呟いたのである。すると、司令官は目を細めて光輝を見た。光輝はビクッとして、さっと篤の後ろに隠れた。
「では、ごゆっくり。」
そう言うと、司令官は去って行った。
「なんだよ、人質って。あいつら頭おかしいよ。」
碧央がそう言うと、流星が、
「1つ有利なのは、俺たちは彼らの言葉が分かるが、向こうは俺たちの言葉が分からないということだ。これを強みにしよう。何とか逃げるか懐柔するかの手立てを考えないと。」
と言った。
「いやー、彼らの話がちゃんと分かっているのは、流星くんだけのような……。」
瑠偉がそう言うと、他のメンバーは苦笑いをした。
光輝はそう言って、碧央の顔を見た。
「そんなのあったっけ?」
碧央はそう言って、そっぽを向いた。
「あー、とぼけてるぅ。たかがチョコレートの事で真面目に喧嘩してさー。」
光輝がからかう。
「たかがって言うな。チョコレートの問題じゃないから。」
碧央が言うと、
「やっぱり覚えてるんじゃん、ばっちり。」
と、光輝が言って笑った。瑠偉が、
「あの事件のお陰で、たかがチョコレートの問題で済んだんだよ。その後、メンバーの間で裏切りとか一切なかったんだから。」
と言うと、涼は、
「怪我とか、病気とか、あれこれあったけど、無事乗り越えてきたなあ。」
と言って、遠い目をした。その顔を見た篤が、
「これからも乗り越えて行けるっしょ。」
と言って、やはり遠い目をし、
「そうだよな。」
流星もまた、そう言って遠い目をした。すると大樹が言った。
「まずは、今のこの状況を乗り越えないとね。」
そう、今まさにピンチである。狭いところに閉じ込められ、延々とどこかへ運ばれているのだ。
「なんか、暑くない?」
光輝が言った。秋なのに、蒸し暑くなってきた。
「つまり、南に移動しているって事かな?」
流星がそう言うとまた、ガタンとものすごい衝撃があり、どこかに下ろされたようだった。そして、ヘリの音も消えた。7人は立ち上がって身構えた。これから、何が起こる?
エレベーターの扉が開いた。今や、エレベーターでも何でもなく、ただの箱だったのだが。すると、そこには軍服を着た兵士たちが何人も立っていた。
「ようこそ、諸君。Save The Earthとかいう、にっくき悪ガキどもよ。お前たちは人質である。大人しく言う事を聞かないと、即座に射殺する。分かったかな?」
先頭に立っている軍人が、そう言って舐めるようにメンバーを見渡した。この人物が日本政府に声明を送った「Grate America」の司令官である。
「人質?どういうことだ?」
と、流星が返した。ちなみに、Grate America略してGAのメンバーとSTEとの会話は、全て英語である。
「まずは、お前たちの部屋へ案内する。ついて来い。」
ライフルを構えた軍人数人に促され、7人は歩き出した。入っていた箱は建物の汎用口のようなところに到着していた。軍事施設のような建物だ。飾り気のない、コンクリートの平屋建て。窓もほとんどないような要塞だった。
「ここに入れ。」
7人がたどり着いた先は、鉄格子の檻だった。檻の中に入らされ、軍人たちは鍵をかけた。
「人質とは、どういう意味だ?お前たちはどんな要求をしている?」
流星が司令官に話しかけた。
「我々は、アメリカ第一主義の義勇軍だ。日本政府に要求したのは、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」からの脱退、次に開かれる「気候変動枠組み条約」の締結国会議を欠席すること。そして、「核禁止条約」に未来永劫批准しないこと。この3つだ。この3つを守るなら、お前たちを返してやる。だが、日本政府が拒めば、お前たちの命はない。」
司令官が応えた。すると光輝が、
「なんだ、それ。僕たちを誘拐してまでやる事かよ。」
と言った。これは、日本語で呟いたのである。すると、司令官は目を細めて光輝を見た。光輝はビクッとして、さっと篤の後ろに隠れた。
「では、ごゆっくり。」
そう言うと、司令官は去って行った。
「なんだよ、人質って。あいつら頭おかしいよ。」
碧央がそう言うと、流星が、
「1つ有利なのは、俺たちは彼らの言葉が分かるが、向こうは俺たちの言葉が分からないということだ。これを強みにしよう。何とか逃げるか懐柔するかの手立てを考えないと。」
と言った。
「いやー、彼らの話がちゃんと分かっているのは、流星くんだけのような……。」
瑠偉がそう言うと、他のメンバーは苦笑いをした。