ミャンマーでの活動の様子やパフォーマンスを、国際ボランティアのスタッフが撮影していて、それを彼らのホームページに掲載してくれた。すると、マスコミがそれに目を付け、新聞やテレビでその動画が紹介された。そうしたら、STEのサイトも閲覧数が激増し、SNSでも話題に上った。
有名になると、好意的なコメントも増えるが、否定するコメントも上がってくる。「売名の為に避難民を利用している」「偽善者だ」「アイドルのくせに、環境問題を語るな」「歌が生意気」「いい子ちゃんなくせに悪ぶっていて笑える」などなど。更には、メンバーの過去の写真などが出回り、ある事ない事書き込む同級生も。
「これが、アイドルの辛さなんだな。俺、本当にアイドルになりたいのか、分からなくなってきたよ。」
「大樹……そう言うなよ。俺たちは、地球を救うためにやってるんだからさ。その為には売名だって必要だし。」
悲観的な事を言った大樹に、流星が慰めの言葉を掛ける。
「ある事ない事書かれてか?過去の変な写真とか晒されてまで?」
しかし、大樹は納得しない。
「僕たちは世界の為を思ってやっているのに、生意気とか言われるのは心外だなあ。ねえ、もっと柔らかい歌詞にしたらいいのかな?」
光輝がそう言うと、
「バッシングにいちいち反応することはねえよ。かえって悪く言われるぜ。」
と、篤は冷静である。
「俺たち、これからどんな歌を作ったらいいんだろう。いっそ、路線変更した方がいいじゃない?もっと、普通の歌を歌った方が。」
涼が弱気な事を言うと、
「普通の歌って何だよ。そんなの、Save The Earthじゃないだろ。俺たちの存在意義が無くなるだろ。」
と、流星が言った。
「そうだよ、他人の言う事なんて無視だよ、無視。」
篤が軽い調子で言ったので、光輝が、
「無視なんてできないよ!嫌われたら、アイドルじゃないじゃん!」
と、叫ぶように言った。
「感情的になるな。」
大樹がたしなめた。
「感情的にだってなるよ!もう、どうしたらいいんだよ!」
涼も大きな声を出した。レッスンに来たのに、この有様。碧央と瑠偉もその場にいるが、凍りついている。
そこへ、内海が入って来た。
「どうした?練習しないのか?」
メンバーは、今しがた話し合った(喧嘩していた)内容をざっと説明した。
「そうか。そうだな。前にも言ったかもしれないが……有名になると必ずアンチが出てくる。そして、肯定派よりもアンチ、つまり反対派の声の方が大きい事が多い。君たちはテレビに出て、多くの人が好意を持った。その、多くの人に愛される君たちに嫉妬して、あれこれ言ってきたり、写真をばらまいたりする人たちが出てくる。問題のある写真や投稿は、削除してもらうようにするから、すぐに知らせてほしい。そして、もっと賛成派の、そう、君たちのファンに目を向けて欲しい。反対派の意見は聞くなとは言わないけど、ファンの声をもっと聞きなさい。君たちを応援してくれるファンは、仲間だ。フェローだよ。」
内海にそう言われ、メンバーはもう一度SNSの書き込みを見直した。かっこいい、ボランティアをしていて偉い、ダンスがそろっていてすごい、歌詞がすごくいい、などなど、誉めてくれる投稿は実は山ほどあった。
「俺たち、このままでいいんじゃない?」
碧央が言った。
「僕たちが今感じている思いを、いつも歌詞にしていけばいいと思う。人から妬まれて、ある事ない事書かれたら嫌だから、そういう思いも歌にしていけば。環境に関しても、いつもボランティアをしていて感じた事を歌にしたわけだし。」
瑠偉がそう言った。
「よし、2曲作ろうぜ。戦争反対ソングと、誹謗中傷反対ソング。」
大樹が少し冗談めかして言うと、他のメンバーはそれぞれクスっと笑った。
有名になると、好意的なコメントも増えるが、否定するコメントも上がってくる。「売名の為に避難民を利用している」「偽善者だ」「アイドルのくせに、環境問題を語るな」「歌が生意気」「いい子ちゃんなくせに悪ぶっていて笑える」などなど。更には、メンバーの過去の写真などが出回り、ある事ない事書き込む同級生も。
「これが、アイドルの辛さなんだな。俺、本当にアイドルになりたいのか、分からなくなってきたよ。」
「大樹……そう言うなよ。俺たちは、地球を救うためにやってるんだからさ。その為には売名だって必要だし。」
悲観的な事を言った大樹に、流星が慰めの言葉を掛ける。
「ある事ない事書かれてか?過去の変な写真とか晒されてまで?」
しかし、大樹は納得しない。
「僕たちは世界の為を思ってやっているのに、生意気とか言われるのは心外だなあ。ねえ、もっと柔らかい歌詞にしたらいいのかな?」
光輝がそう言うと、
「バッシングにいちいち反応することはねえよ。かえって悪く言われるぜ。」
と、篤は冷静である。
「俺たち、これからどんな歌を作ったらいいんだろう。いっそ、路線変更した方がいいじゃない?もっと、普通の歌を歌った方が。」
涼が弱気な事を言うと、
「普通の歌って何だよ。そんなの、Save The Earthじゃないだろ。俺たちの存在意義が無くなるだろ。」
と、流星が言った。
「そうだよ、他人の言う事なんて無視だよ、無視。」
篤が軽い調子で言ったので、光輝が、
「無視なんてできないよ!嫌われたら、アイドルじゃないじゃん!」
と、叫ぶように言った。
「感情的になるな。」
大樹がたしなめた。
「感情的にだってなるよ!もう、どうしたらいいんだよ!」
涼も大きな声を出した。レッスンに来たのに、この有様。碧央と瑠偉もその場にいるが、凍りついている。
そこへ、内海が入って来た。
「どうした?練習しないのか?」
メンバーは、今しがた話し合った(喧嘩していた)内容をざっと説明した。
「そうか。そうだな。前にも言ったかもしれないが……有名になると必ずアンチが出てくる。そして、肯定派よりもアンチ、つまり反対派の声の方が大きい事が多い。君たちはテレビに出て、多くの人が好意を持った。その、多くの人に愛される君たちに嫉妬して、あれこれ言ってきたり、写真をばらまいたりする人たちが出てくる。問題のある写真や投稿は、削除してもらうようにするから、すぐに知らせてほしい。そして、もっと賛成派の、そう、君たちのファンに目を向けて欲しい。反対派の意見は聞くなとは言わないけど、ファンの声をもっと聞きなさい。君たちを応援してくれるファンは、仲間だ。フェローだよ。」
内海にそう言われ、メンバーはもう一度SNSの書き込みを見直した。かっこいい、ボランティアをしていて偉い、ダンスがそろっていてすごい、歌詞がすごくいい、などなど、誉めてくれる投稿は実は山ほどあった。
「俺たち、このままでいいんじゃない?」
碧央が言った。
「僕たちが今感じている思いを、いつも歌詞にしていけばいいと思う。人から妬まれて、ある事ない事書かれたら嫌だから、そういう思いも歌にしていけば。環境に関しても、いつもボランティアをしていて感じた事を歌にしたわけだし。」
瑠偉がそう言った。
「よし、2曲作ろうぜ。戦争反対ソングと、誹謗中傷反対ソング。」
大樹が少し冗談めかして言うと、他のメンバーはそれぞれクスっと笑った。