援軍の船団がこちらへと到着すると、数で有利となった人間の兵士達が徐々に有利になっていく。そして気が付けばあやかし達は倒されたか散り散りになって海へ消えていったのだった。

「よし、船が沈没する。こっちへ乗れ!」
「あ、おい! 立野家の一の姫はどこだ?」

 このタイミングで気が付いたのか……。えっと、ステルス状態なのを解除しなきゃ。

「こちらにおります」

 姿を現した私へ、兵士達は驚きながらも、早くこの船が沈む前に援軍の船に乗るようにとせかしてくる。ここは彼らの言う通り、さっさと沈みゆく船とはおさらばしなきゃね。
 こうして新たな船に乗り込んだ私は兵士達からの厳重な警備を受けながら、到着した無人島にて降ろされる事となった。無人島は景色こそシークレットビーチっぽくてきれいだが、うっそうと木々が生い茂っており、不気味に思う。

「ここかあ」
「ここで反省するのだな。陰陽道を習得している貴様なら生きていけるだろ」

 いや、無人島舐めてる? こんなとこで姫君が生きていけるとお思いで?
 しかし船は私を置いて、どこかへと向けて航海を再開していった。

「島流しされちゃったなあ……」

 白い砂浜の上に棒立ちになったまま水平線を眺めていると、後ろからがさがさと音がした。