「あれ、珠丸!?」
「明子！」

　なんとこのタイミングで珠丸との突然の再会。珠丸がなんで都であるここにいるのかよくわからないが、彼らが実亨親王の屋敷に狙いを定めているのは理解できる。
　もしかして実亨親王の屋敷に私がいる……と思ってたのかな？

「アンタ、なんでここに……」

　私も珠丸にそう言いたい。それに珠丸に会えてすごく嬉しいけど、今はあやはの紅刀と鎧を回収しなきゃ……！

「珠丸、ちょっとついてきてほしいの！」
「どこへだ？」
「この屋敷に！」
「わかった！」

　屋敷の中に入ると、どうやら実亨親王は留守である事が判明した。よし、今のうちに回収しよう……！
　私は屋敷にいた女房に紅刀と鎧はどこにあるのかと問いかける。

「ああ、それなら持ってきますよ」

　……案外簡単だったな……。実亨親王の事だから、あやはの手に渡らないように隠してあると思ったけど。
　数分後。女房達がお目当ての品を持ってきてくれたので珠丸達と共に受け取り、実家の屋敷へ飛ぶように戻る。

「アンタ、ここにいるんだな」
「はい。ここが私の実家になります。すみませんが一緒に来てくれませんか？」
「ああ、勿論！」

　珠丸の顔には、私に会えて嬉しいという感情が思いっきり出ている。
　私も嬉しいけど……まずはあやはと実亨親王の問題をどうにかしないと。