「東宮様に捕縛されまして、ここにおります。あなたから受けた嫌がらせは全て、私の自作自演だと言われ……」
「そうだったのですか……」
「あなたを島流しにするよう仕向けたのは私、だとも……私はそんな事していないのに」

 よく見てみると、あやはの顔や身体には傷やあざが出来ていた。え、もしかして拷問? そうだとしたらまじでひどくない?
 実亨親王……なんて事したんだ。

「すみません。私、島流しにされていたものでその間に何があったのかはよくわからず……」
「あなたが東宮様をそそのかしたと私は最初考えました」
「は、はあ……」

 やっぱり私の事疑うよね。
 
「でも、島流しにされていた状態で東宮様をそそのかすなんて無理がある。そうでしょう?」

 そうだわね。そもそも私・明子が実亨親王をそそのかしていたら私の島流し自体なかったと思うんだよね。

「一の姫様もそう思いますか。……あれ?」

 めっちゃ疑い深い目で見てくるじゃん!

「あなたはそのような優しい方でしたっけ?」

 な、なんて言い返したら良いのか……。

「あなたねぇ。何を言っているの?」

 取り巻きAがいきなりあやはを指差し始めた。うん、ゲームでもよく見た悪役令嬢ムーヴである。

「左大臣様の一の姫様はねぇ、島流しをという経験を得て、よりお淑やかでお美しい方になられたのよ!」