「俺は元は漁師だったが、貝を買い付けに来る商人からうちで働かないかと誘われてな」
「なるほど。そして今に繋がるのですね」
「そう言う事さ。あ、良いもんがあるぞ」
船に上がらせてもらい、屋内に入るとそこには十二単の衣があった。橙色をはじめ暖色系の衣は見ていて綺麗で着たくなっちゃう。
でもお高いんだろうなあ……。
「アンタ、これタダでやるよ」
いきなりの船長からの言葉に、私は思わずえ。としか声を出せなくなる。しかもそれは珠丸も同じだった。
「おいおいふたりそろってよく似た表情しやがって。良いとこのお姫様ならこれくらい必須だろ?」
「それは……まあ、確かにそうかもしれませんけど……」
「ならやるよ。お姫様がそんなみすぼらしい恰好するんじゃない」
がははっと船長が陽気に笑って、珠丸もつられて笑いかけた時。何やら船が数隻ほどこちらへと向かってきているのが見えた。
「あの、船長……あれって船長のお仲間さんですか?」
「ん? いいや、違うねえ。知らない船だ」
「珠丸は知ってる?」
「いや、俺も知らない。ていうかこんな所にあんな数の船が来る事なんて見た事ねえな……」
「なるほど。そして今に繋がるのですね」
「そう言う事さ。あ、良いもんがあるぞ」
船に上がらせてもらい、屋内に入るとそこには十二単の衣があった。橙色をはじめ暖色系の衣は見ていて綺麗で着たくなっちゃう。
でもお高いんだろうなあ……。
「アンタ、これタダでやるよ」
いきなりの船長からの言葉に、私は思わずえ。としか声を出せなくなる。しかもそれは珠丸も同じだった。
「おいおいふたりそろってよく似た表情しやがって。良いとこのお姫様ならこれくらい必須だろ?」
「それは……まあ、確かにそうかもしれませんけど……」
「ならやるよ。お姫様がそんなみすぼらしい恰好するんじゃない」
がははっと船長が陽気に笑って、珠丸もつられて笑いかけた時。何やら船が数隻ほどこちらへと向かってきているのが見えた。
「あの、船長……あれって船長のお仲間さんですか?」
「ん? いいや、違うねえ。知らない船だ」
「珠丸は知ってる?」
「いや、俺も知らない。ていうかこんな所にあんな数の船が来る事なんて見た事ねえな……」