「じゃあ一緒に行くか」
朝ご飯を食べ終わった後、2人で手を握って海岸へと移動した。私が島に上陸した時の砂浜とは逆方向の場所に人の手が殆ど加えられていない港っぽいなにかがあって、そこに船が着岸しようとしている。
「いやあ、来るのはええな。毎度の事だが。じゃあ、色々品を見ていこうかな」
「おい珠丸!」
船からひとりの中年くらいの男性が珠丸を呼んでいる。服装は平安時代の庶民が着てそうな服装だけど……この人も、もしかして海坊主なのかな?
「船長さん! おはようございます!」
「おう! 珠丸、一緒に連れてんのは……」
「立野明子と申します。えっと……最近島流しにされまして」
「ああ、左大臣の一の姫様か。アンタの事は聞いているよ」
彼は市場船の船長で珠丸と同じく海坊主のあやかしだった。海坊主でありながら若い頃から人間の商人の元で働いていたのをきっかけに、各島々を巡り海坊主や島に住む島民の人間に、物資を売るようになったらしい。
朝ご飯を食べ終わった後、2人で手を握って海岸へと移動した。私が島に上陸した時の砂浜とは逆方向の場所に人の手が殆ど加えられていない港っぽいなにかがあって、そこに船が着岸しようとしている。
「いやあ、来るのはええな。毎度の事だが。じゃあ、色々品を見ていこうかな」
「おい珠丸!」
船からひとりの中年くらいの男性が珠丸を呼んでいる。服装は平安時代の庶民が着てそうな服装だけど……この人も、もしかして海坊主なのかな?
「船長さん! おはようございます!」
「おう! 珠丸、一緒に連れてんのは……」
「立野明子と申します。えっと……最近島流しにされまして」
「ああ、左大臣の一の姫様か。アンタの事は聞いているよ」
彼は市場船の船長で珠丸と同じく海坊主のあやかしだった。海坊主でありながら若い頃から人間の商人の元で働いていたのをきっかけに、各島々を巡り海坊主や島に住む島民の人間に、物資を売るようになったらしい。