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 この島で暮らし始めて大体1週間くらいが経過したように思う。食材取りなんかは珠丸の世話になる事が多いけど、それ以外はひとりでもやっていけてるかな。
 それにしても珠丸は優しいしちょっとずるい。彼とはこれまで何度かキスしたりハグしたりしてきたけど……思い出すだけで顔が赤くなるのでこれ以上はやめておこう。

「ん、美味しい」

 という訳で今は朝ご飯の雑炊を食べている最中である。雑炊の具材は魚と海老のつみれと野菜。ちなみにつみれは潰して食べやすいサイズにしてある。
 雑炊の味はつみれと野菜から良い感じのだしが出ていて、美味しい味だ。

「明子、おかわりいるか?」
「はい。後でつぎます」
「ほいほい。そういえば今日は市場船がこっちに来るんだが、アンタも一緒に行くか?」
「市場船……ですか」

 珠丸曰く、市場船はその名の通り食材や日用品が積み込まれた船の事。前世で言う船とスーパーが一体化しているものらしい。
 またレアな品として香料に十二単の衣、赤い袴に馬などが販売される事もあるとか。

「どっちにしろ俺は寄らなくちゃいけないんだが……」
「私も同行します。どんな船か知りたいですし」