「貴様は左大臣の一の姫と我らが東宮様を誑かしたな?」
「い、いいえ違います! あれは事実です!」
「いいや、貴様の自作自演だろう。今から貴様を連れていく!」
捕縛されたあやはは全身を動かし逃れようとした。更には彼女の異変に気がついたあやかし達が加勢し応戦する。
「離してください! 離さないのであれば、こちらにも考えがあります!」
「やれ!」
あやはが抵抗するのも、彼は織り込み済みだった。ぞろぞろと陰陽師達が現れ、あやかしを術で全て払う。
「あ……」
陰陽師によって眠らされたあやは。そのまま意識を手放し転がるようにして地面に倒れ込んだ。兵士達は彼女の身体をつかみ上げ、連行する。
◇ ◇ ◇
屋敷にいた実亨親王は、あやはが連行されたという情報を従者から聞いた。
「そうか」
あやはが連行されたのは、都から少し離れた山あいにある寺の中。寺には高名な術者でもある僧侶が多数在籍しており、監視はばっちりの体制だ。それに紅刀も鎧もない状態であるあやはに、抵抗できる余地はもうほとんどない状態と言っていいだろう。
従者は実亨親王の顔色をちらりとうかがう。
「どうしますか?」
「これから明子が島流しされた地点へ行く。明子がどうなっているか知りたいのでな」
「よろしいのですか? 道中、あやかしが襲い掛かって来るとも限りませぬが」
「い、いいえ違います! あれは事実です!」
「いいや、貴様の自作自演だろう。今から貴様を連れていく!」
捕縛されたあやはは全身を動かし逃れようとした。更には彼女の異変に気がついたあやかし達が加勢し応戦する。
「離してください! 離さないのであれば、こちらにも考えがあります!」
「やれ!」
あやはが抵抗するのも、彼は織り込み済みだった。ぞろぞろと陰陽師達が現れ、あやかしを術で全て払う。
「あ……」
陰陽師によって眠らされたあやは。そのまま意識を手放し転がるようにして地面に倒れ込んだ。兵士達は彼女の身体をつかみ上げ、連行する。
◇ ◇ ◇
屋敷にいた実亨親王は、あやはが連行されたという情報を従者から聞いた。
「そうか」
あやはが連行されたのは、都から少し離れた山あいにある寺の中。寺には高名な術者でもある僧侶が多数在籍しており、監視はばっちりの体制だ。それに紅刀も鎧もない状態であるあやはに、抵抗できる余地はもうほとんどない状態と言っていいだろう。
従者は実亨親王の顔色をちらりとうかがう。
「どうしますか?」
「これから明子が島流しされた地点へ行く。明子がどうなっているか知りたいのでな」
「よろしいのですか? 道中、あやかしが襲い掛かって来るとも限りませぬが」