珠丸と一緒に屋敷の縁側に座っておかゆを頂く。お茶碗によそったおかゆはどことなく甘みがあって美味しい。前世ではおかゆは味が無くて敬遠しがちだったけど、塩気もちゃんとあるのでこの味ならバクバク食べられそうだ。

「珠丸、今日は何します?」
「今日は何して過ごそうかな。食材は取りにいかなきゃならんし、それ以外となると……」
「ふむふむ……」
「貝合わせでもするか? 姫様の間でもやるんだろ?」

 貝合わせは確かトランプで言う神経衰弱みたいな遊びだっけ?

「いいですね。貝合わせでもしますか」
「そうだな。やっぱりアンタが来てくれたおかげでひとりぼっちじゃなくなったのは幸いだな」

 珠丸の屈託のない笑みを見ているとほっとした気分になる。自分が邪魔者じゃなくて本当に良かった。

「私も、ひとりぼっちじゃないのは助かります。こんな無人島ひとりで生きていくなんて無理ですもん」
「……そっか。じゃあ、アンタ……ずっと一緒にいてくれるよな」

 え、まってまって。このタイミングでそんな事言うのはなんだかずるいって。
 
「わからないです……」
「……アンタは島流しにされた姫様だもんな。迎えが来るとも限らない」

 途端に寂しそうな表情を浮かべる珠丸。だけど彼にかけてあげるべき言葉が見つかりそうにない。
 ごめんよ珠丸! 私こういうシチュエーションとかほんとわからないからさ……!