◇ ◇ ◇

 翌日の朝。衣の一部を布団代わりに寝てみたが思ったよりもよく眠れた気がする。昨日、あれから髪はあやかしたすぐに乾かしてくれたおかげでさっぱりして良い感じだ。

「ふわあ……」

 昨日。さんざんキスしたのはいいけど、最終的には珠丸がここでやめにしよう。って言ったんだよね。
 そりゃあ、キスの先を越えなかったのはよかったかもしれないけど……。

「もっと、知りたいな……」
「お――い。朝飯食うか?」

 どうやら珠丸は先に起きて朝ごはんを作っていたらしい。

「おはようございます。珠丸」
「おはよ。よく寝れたか?」

 中庭で炎が立つ薪の上に鍋を置いて、何やら温めている様子の珠丸。肌寒いのか鎧を脱いだ足軽みたいな格好をしていた。

「はい。寝れました。何作っているんですか?」
「おかゆだ」
「おかゆですか」
「おかゆと言っても、野菜と干貝の身を切り刻んで中に入れてるからちょっと違うか」

 なるほど。確かに貝みたいな匂いがする。
 次第にふつふつと沸騰している音が聞こえてきた。

「っし、こんなもんかな。さっさとよそって食おう」