立野明子。立野家の長女で、紅刀の姫君の主人公・あやはと敵対している悪役令嬢枠だ。明子の父親は左大臣。彼女は左大臣様或いは左大臣家の一の姫様とも呼ばれていて、本名で呼ばれる事はめったにない。
「お、思い出しました……」
ほんとは明子としての記憶じゃなくて、ゲームでの明子の活躍なんだけど。
「それで姫様はあのにっくきあやはへ一騎打ちを申しこみ、逆にやられた結果気を失い、今に至るという訳でございます」
「えっ」
私は明子がこの後どうなるかを知っている。
そう、あやはとの一騎打ちは両者が慕う東宮・実亨親王をかけたものだ。簡単にまとめるとあやはに敗れた明子は実亨親王にこれまで行ってきたあやはへの嫌がらせが全てバレ、島流しの刑に処されてしまうのだ。
……という事は、私は……。
「あ……まさか、私は……」
「どうなさいました? 姫様」
多分ここにいる明子付きの女房達は、私がこれから島流しを言い渡されるのを知らないか、んな訳ないだろ! と勘づいていないものと思われる。
でも今から島流し回避って出来る?! 出来るもんなら回避したいけどさ! うわあああああ、どうしよ!
「姫様、顔色が悪うございますが……」
「あっ……いやあ、なんでもありません……」
女房達は不思議がっているけど、私が明子に転生して明子がこの後どうなるかを伝えても信じてくれない事は理解している。
だから黙っておくしかないんだけど……。
「一の姫はこちらか」
「お、思い出しました……」
ほんとは明子としての記憶じゃなくて、ゲームでの明子の活躍なんだけど。
「それで姫様はあのにっくきあやはへ一騎打ちを申しこみ、逆にやられた結果気を失い、今に至るという訳でございます」
「えっ」
私は明子がこの後どうなるかを知っている。
そう、あやはとの一騎打ちは両者が慕う東宮・実亨親王をかけたものだ。簡単にまとめるとあやはに敗れた明子は実亨親王にこれまで行ってきたあやはへの嫌がらせが全てバレ、島流しの刑に処されてしまうのだ。
……という事は、私は……。
「あ……まさか、私は……」
「どうなさいました? 姫様」
多分ここにいる明子付きの女房達は、私がこれから島流しを言い渡されるのを知らないか、んな訳ないだろ! と勘づいていないものと思われる。
でも今から島流し回避って出来る?! 出来るもんなら回避したいけどさ! うわあああああ、どうしよ!
「姫様、顔色が悪うございますが……」
「あっ……いやあ、なんでもありません……」
女房達は不思議がっているけど、私が明子に転生して明子がこの後どうなるかを伝えても信じてくれない事は理解している。
だから黙っておくしかないんだけど……。
「一の姫はこちらか」