気が付けば左右には十二単姿の女の人たちが4人くらいいて、私の事を心配していた。皆色とりどりの十二単で綺麗だなと思いながら眺めているけど、当の本人達は薬師を呼んでください! とか、なんとかかんとか言って右往左往しまくっている。

「……えっと……」
「姫様! お気を確かに!」
「あの……姫様って事は……私は……」

 そうだ。さっきあの人達は私の事を姫様って言ってた。私はそういう身分じゃないんだけど。

「姫様、もしかして頭を打っていらっしゃるから記憶が抜け落ちているのではないでしょうか?」
「記憶……?」
「思い出されませ。あなた様は我らが立野家の一の姫様でございますよ!」

 ん? 立野家ってなんか聞いた事あるぞ?
 ……そうだ! 最近はまっているアプリゲー・紅刀の姫君に出て来るキャラだ!