高貴な姫君達に島流しはそれほど過酷なのだろう。

「人がちゃんと栄えている島ならまだマシだ。それでも除け者にされる可能性はあるが。でも無人島となると厳しいんだろうな」
「自分であれこれしないといけないですもんね」
「まあな」
「私は……幸運だったかもしれないですね」

 珠丸がそっと私に顔を近づけてきた。起こっている訳でもなく、笑みを見せている訳でもない。

「幸運?」
「はい。あなたと出会えてよかったと言いますか……最初は襲われるのかと思っていたので」
「ああ、そう言う事な。確かにアンタ、俺に出会えてよかったな」

 ふっと穏やかに微笑む珠丸の顔がまぶしい。うわ、これは……沼りそう。

「結論に入るが……アンタはどうしたい?」

 出来る事ならここのお屋敷でお世話になりたい。その気持ちを正直に打ち明けると、珠丸はまあ、そうなるよな。と笑ってくれた。

「って事で今日からよろしくな。明子」
「よ、よろしくお願いします。珠丸さん。お世話になります」

 すると珠丸がいきなり私の身体に抱き着いてきた! 
 勿論男子からハグなんてされた事ないので、一瞬で頭が混乱してしまう。